【いつも行くお店は、すぐに思い出せますよね?】
健幸料理家 佐藤周生です。
今回は、「飲食店が繁盛しない大きな原因」をお伝えします。
今回は健康の話はお休みしまして、ちょっと商売に関すること。
(※レシピはちゃんとご紹介します!)
なので、関係ない方が多いかもしれません。
ですが、知っておくと、お友達や知人の方で飲食に関わる人に「お客さんを呼ぶ」ためのちょっとした…でも凄く効果的なアドバイスできるので、是非最後まで読んでみて下さい。
飲食店を長年やっている人でも気づかない、お客さんが来ない根本的な原因となる話です…
私事ですが、先日、久々に家族揃ったこともありまして、外食してきました。
お店は大好物の「焼き鳥屋」。
岡山では、そこそこ有名な(一部かも…)老舗の焼き鳥屋さんです。
この店の焼鳥がちょっと変わってまして…
通常、焼鳥というとタレ焼きと塩焼き、もしくは塩コショウ焼きがありますよね。
しかし、なんと!その焼き鳥屋さん、”塩コショウ焼き”の焼鳥しかありません。
さらに、焼鳥のメインメニューが「もも肉」と「玉ねぎ」を交互に刺した1種類しかない。
多くの焼き鳥屋さんでは、メインの焼鳥というと「もも焼き」「ねぎま(もも肉と長ネギ)」が主流ですけど、
この店にはそれが無くて「やきとり」と記載された1種のみ。(※つくね、軟骨、せせり、しんぞうはあります)
他の焼き鳥屋と比べると、メニューも少なく、若干変わってるなと感じます。
何より、その店のメインの焼き鳥は、塩とコショウがたっぷりふってあるので、けっこう塩気が強い…
さらに後を追っかけてくるかのようにコショウのピリ辛さも口に残ってヒリヒリする…
しかも、サイズが大きい。(20cmくらいの竹串にさしてあります)
ところが、
玉ねぎの甘みと、もも肉の脂のコクが、塩気の強さ・コショウ辛さとマッチして、それが何とも言えない美味しさとなって、クセになるのですね。
私、基本的に焼鳥は塩焼きが好きなのですが、この時、あらためてコショウも良いなぁと感じました。
お客さんの多くが、その癖になる焼鳥の味にハマって、何度も何度も来店してくるので、お店は連日満席状態です。
一方で、他の県と同様、岡山県も景気が悪く、コロナ・物価高騰のダメ押しで岡山駅前の繁華街飲食店であっても、多くの店は閑古鳥…
でも、その焼き鳥屋だけは、お客さんが入れ替わり立ち替わり入ってきて、すごく繁盛しているわけです。
で、私は板前歴23年で、その内10年は経営にも深く関わりました。
なので、少し飲食店に関わるビジネス的な話をさせて頂くと…
お店に安定してお客さんが来ない大きな原因の1つに「お客さんに忘れられている」というのがあるのですね。
要は「今日は外食しようか?」となった時に「あそこの店に行こう!」と思って貰えないわけです。
単に忘れられている。
(※もちろん、それだけではありませんが、「忘れられている」というはすごく大きな原因となっています)
ですから、
味が美味しいことはもちろんのこと、インパクトのある一品がメニューにあるとか、他の店にはない明るい接客が売りになっているとか、お勘定の時にド派手な店の名刺を渡すとか、
とにかく、印象が残る店になる必要があります。
(「美味しさを売り」にして、他店と差をつけるのは物凄く難しいです。お客さんはそんなに大きな差を感じないから…)
そして、何度か足を運んで頂いて、完全に憶えて貰って、パッ!と店名を思い出してもらえる。
要するに、
私が行った焼き鳥屋さんは【塩辛い焼き鳥】にインパクトがあって、「塩辛いけど、なぜかクセになる味でめちゃ旨い!」という感じで印象が残って、「憶えて貰えている店」になっているわけですね。
(その焼き鳥屋さんは、接客もごく普通ですし、内観も和風の静かな感じで今風のデザイン。そういった部分に強い印象は無いですのですが、実は一品料理の「肉じゃが」も有名で、じゃが芋が丸ごと1コド~ンと入って、肉が牛のそぼろ。ちょっと甘めで旨い!これも印象に残ります…その日は残念ながら売り切れでした(悲)…)
『お店の事を憶えて貰っている』…
だから、「あそこの焼き鳥屋に行こう!」と思い出して貰えて、他の店より繁盛していると…
ご自分で、よく行くお店を考えてみて頂ければ分かると思いますが、
そのお店ってパッ!と思い出すでしょ?
店名がすぐに頭に浮かんでくる。
忘れらているお店は、店名を覚えて貰ってない場合も。
お客さんが、なかなか来ないお店は「忘れられている」という自覚を持つ必要があるのではないかと。
(もちろん、景気が悪くお客さんの懐が寒かったり、コロナで外出しないこともありますけど、繁盛しているお店があることも事実ですよね?)
景気が悪いのはハッキリ言って政府の責任ですが、
飲食店さんができる努力としては「憶えて貰うこと」「忘れさせないこと」が絶対に必要だと思います。
ちなみに先日、何かのテレビ番組で店主(女性)が店の前でマツケンサンバを踊る「たこ焼き屋」が特集されてましたけど「これぐらいやれば、絶対に憶えて貰えるわ」と思いました…(笑)、
私は「飲食店の人は、踊ることがいい」と言っているわけではなく、各店で出来る「憶えて貰らえること」が必ずあるので、それを一生懸命考えてやればいいと思います。
私、実はそれを学んだのが料理人引退してから。
過去に働いたお店で「あの店も、この店も、やれることがあったのに…」とすごく後悔しています。
知っていたら、もしかすると違う人生を歩んでいたかもしれないですね…
ということで、
その塩辛い&コショウ辛い焼き鳥屋に行った時に、
「久々に串物のレシピを作ろうかな」と思ったわけです。
それで、考えた串焼きレシピがこれ!
『じゃが芋の豚バラ巻 串焼き べっこう餡かけ』
蒸したじゃが芋を豚バラ肉でクルクルッと巻いて串をさし、フライパンでパパパッと焼いて、
濃口しょう油の甘辛い餡をかける熱々一品!
じゃが芋のホクホク感…
香ばしく焼けた豚バラ肉…
あっさりだけど濃厚な「餡」…
ネギ生姜の薬味も加えて、豚肉の臭みも感じない…
一口で満足できるような味わいです。
試作を両親に食べて貰いまして、「じゃが芋でけっこうお腹膨れるな。でも美味しいわ!」と好評でした。
タレでもなく、塩コショウでもなく、
「餡をかけて食べる串焼き」。
こんな感じの一品を出して上手くいけば、印象に残って、憶えて貰えるかもしれませんね。(あくまで一例なので、さらに工夫が必要だと思います)
レシピ、見て下さい!
↓↓
【材料】(1人前) | 分量 | 備考 |
じゃがいも(小) | 1コ(100g) | |
豚バラ肉スライス(薄切り) | 4枚(120g) | |
おろし生姜 | 小さじ1杯分 | |
塩・コショウ | 各少々 | |
刻みネギ | 少量 | |
おろし生姜 | 少量 | |
竹串 | 15cm×4本 |
【べっこう餡】 | 分量 | 備考 |
水 | 大さじ8杯(120cc) | |
濃口しょう油 | 大さじ1杯(15cc) | |
みりん | 大さじ1杯(15cc) | |
粉カツオ節 | 小さじ1杯 | |
片栗粉 | 小さじ1杯と1/2杯 |
じゃがいもの代用は、長芋・里芋・アスパラ・茄子・もやし・キノコ類などなど…
根菜類も下茹ですれば代用できますので、何でもいけますね。
是非、作ってみて下さい!
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