【とろろ芋を蒸して餡をかけるだけ】
健幸料理家 佐藤周生です。
今回は「長芋をベースにした簡単な餡かけ料理」を伝授します。
わたし、ここ数年、冬場にお伝えしているレシピは「蒸し物」を多くしています。
なぜなら、体を芯から温めてくれる料理の1つだから。
特に餡を加えた「蒸し物」は冷めにくく、鍋料理と同じように体の中から温まります。
「冬は鍋料理!」というのが定番ですが、「蒸し物」も温まる定番料理として加えて頂きたい…
そして、「蒸し物」のレシピを多くお伝えする理由がもう1つあります。
それは、「蒸し物は簡単なんですよ」ということを知って頂きたいから。
未だに読者さんから頂くメールの中には、
「蒸し物は、めんどくさいので作りません」というご意見を頂きます。
ですが、実はそれは思い込みで、すべての「蒸し物」が面倒な料理ではありません。
過去に何か手間のかかる蒸し物を作ったことで、そういう思い込みになってしまったのかもしれまぜんね。
例えば、「茶椀蒸し」。
これは確かに面倒…
数種類の具材を下準備して、出汁を取って、卵と混ぜて味付けして、さらに濾して、器に入れて、気泡を消して…
という感じで作業が多いですから面倒です。
でも「蒸し物」にも他の料理と同様、簡単な料理もあるので、
「蒸し物」=「面倒な料理」
という「考え」、「思い込み」は捨て去って頂きたい。
さらにこんな思い込みから蒸し物は家庭で手軽にできない、と思っている方もいるかもしれません。
それは…
「でも、蒸し器が無いと蒸し物なんてできないでしょ?」
という思い込み。
これは何度もお伝えしているのですが、蓋付きの鍋さえあれば、蒸し器になります。
鍋底に小皿を置いて、小皿の高さまで水を入れて沸かすだけ。
あっという間に「即席蒸し器」の出来上がり!
鍋に入るサイズの皿に具材を入れ、鍋内の小皿にのせ、蓋をする。(蓋がしっかり閉まることも大事)
立派な蒸し器になるわけです。
わざわざ、蒸し器を買う必要な無し!
蓋付き鍋があれば蒸し物は作れるということ。
これを知っておくとさらに蒸し物の敷居が下がるのではないでしょうか。
で、茶碗蒸しみたいな面倒な蒸し物ではなく、もっと簡単な蒸し物はたくさんあるのですが、
今回おすすめする蒸し物もその1つです。
『長芋とろろ蒸し 肉そぼろ餡』
長芋を乱切りして、残りはすりおろして「とろろ芋」に。
これを小鉢に入れて、即席蒸し器で5分蒸します。
蒸し上がったら、挽肉たっぷり!あっさり味の「肉そぼろ餡」をかける…
これだけ。
長芋は蒸すともっちり・ふわふわ食感になります。
でも、「さつま芋みたいな濃い甘味」や「じゃが芋みたいな風味」も無く、長芋自体の味がたんぱくなので、肉々しい「そぼろ餡」がピッタリ合うわけです。
肉の旨味濃いそぼろ餡と長芋のもっちり・ふわふわ食感がバランスよく調和して、
普段食べない「餡かけ蒸し物」が堪能できます!
美味しく作るポイントとしては、
「蒸し過ぎない」。
蒸し過ぎると水分が飛んでしまい、パサつくので、「ちょっと生かな?」ってくらいで丁度いいです。
そもそも、長芋は生で食べられますしね…
こういった「とろろ芋」の蒸し物を和食では「薯蕷蒸し(とろろむし)」といいますが、
名前だけ聞くと何となく、難しそう、めんどくさそうと思いますよね。
でも、そうじゃないってことです。
今回は具材を長芋だけにしましたが、中に魚の切り身を入れたり、肉を入れたり、茶碗蒸しみたいに具沢山にしてもいいと思います。
いろいろ応用できるので、まずはシンプルな、
『長芋とろろ蒸し 肉そぼろ餡』
を試して頂きたい。
「蒸し物」は実は簡単に作れるということを是非知っておいて下さい。
そして、冬らしい一品になるので、冬料理のレパートリーが一気に増えます!
私、「とろろ蒸し」は板前現役の時も様々な食材を使ってよく作ってましたが、お客さんにいつも好評でした。(魚の切り身のとろろ蒸しは特に好評でした)
今回の『長芋とろろ蒸し 肉そぼろ餡』は、
特に「蒸し物はあまり作ったことが無い…」という方に是非、挑戦して欲しいです。
「美しい盛り付け」にもちょっとこだわっているので、参考にして下さい。(簡単な工夫で)
レシピ、公開!
↓↓
【材料】(1人前) | 分量 | 備考 |
長芋 | 120g(直径6cm厚さ3cmくらい) | |
卵 | 1コ | |
刻みネギ | 少量 |
【肉そぼろ餡】(作りやすい量) | 分量 | 備考 |
牛・豚合挽き肉 | 100g | 鶏の挽き肉でもOK |
酒(挽肉酒炒り用) | 大さじ2杯 | |
生姜 | 輪切り5枚(15g) | |
水 | 300cc | 割合「出汁10:酒1/2:みりん1:淡口しょう油1」 |
酒 | 大さじ1杯(15cc) | |
みりん | 大さじ2杯(30cc) | |
淡口しょう油 | 大さじ2杯(30cc) | |
粉カツオ節 | 小さじ2杯 | |
水溶き片栗粉 | 片栗粉:大さじ1杯半、水:大さじ1杯半弱 |
ふわっとやわらかくモッチリした長芋に「そぼろ餡」が絡むとやさしい味わいでありながら、肉のしっかりした味も感じて、最高のバランス!
やはり、冬は「あんかけ料理」がいいですね。
今回の「肉そぼろ餡」は多めの量になってますので、残った分は、オムレツにかけたり、焼いた豆腐にかけたり、蒸したカブにかけたり、茹でた大根と共に煮込むなどして使い切って下さい。
ごはんにかけるだけでも美味しいです。(そぼろ餡かけごはん)
是非、作ってみて下さい!
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