【ほうれん草、茹でてませんか?】
健幸料理家・健酵サポートプランナー 佐藤周生です。
今回は、「ほうれん草の栄養素を無駄なく摂る調理法」を伝授します。
ほうれん草は栄養価が高いことはよく知られていて、しかも年間通して手に入るので、非常に使いやすい野菜の1つですよね。
そんなほうれん草に一番多く含む栄養素は、免疫の向上やアンチエイジングなどに効果的な
「ベータカロテン」。
野菜に含むカロテンの平均含有量は大体1600ug(マイクログラム)なんですが、
実は、ほうれん草にはその2倍以上の4200ugものカロテンを含まれています。
他にもビタミンC・E・Kやカリウムなどミネラル分も多い…
そういった特徴から、栄養価が高い食材として知られているんだと思います。
なので、ほうれん草は日々の食事で必要な貴重な栄養源と言えます。
ですが、カロテンなどの「栄養素」は調理の仕方次第ではたくさん失われます。
そう、せっかくの栄養素を無駄にして、少ししか摂取できなくなるわけです。
これは勿体ない!
食べ物から摂れる栄養素は、できるだけ無駄なく摂りたいですよね。
そこで、おすすめしたいのが、
「蒸す」調理法…
まず、カリウムなどのミネラルは、水溶性の栄養素で水分に非常に溶け出てしまう性質があり、
水分(湯)を使う「茹でる」調理法で加熱してしまうと多くのミネラルを失ってしまうんです。
そして、カロテンに関しては水溶性ではないので水分には強いんですが、長時間の加熱には弱く、失われやすい…
ですから、ほうれん草(菜っ葉類全般)は、
「短時間で蒸す」
というのが、多くの栄養素を残し、無駄なく摂るための調理法になります。
1つデメリットは「シュウ酸」という結石の原因になる物質も残ってしまうこと。
このシュウ酸を残したくない場合は、「茹でる」ほうがいいかもしれません。(排除率は37~51%程度)
ただ、毎日毎食ほうれん草を食べるわけではないですから、シュウ酸の摂り過ぎは考えにくいですし、
そもそも日々お酢を摂っていれば、結石にはなりにくいです。
結石はシュウ酸とカルシウム(他にもある)がくっ付いてできるのですが、
お酢(クエン酸)は、シュウ酸とカルシウムの結合を抑えてくれますから。
ですから、「蒸す」調理法でシュウ酸が残って摂取してしまっても問題ないと思います。
そんな「栄養素を無駄なく摂る調理法」で作る、ほうれん草料理のおすすめが、
「ほうれん草の彩りナムル」
私、料理人現役の時から、ほうれん草を使った料理をたくさん作ってきましたが、
ほうれん草は和え物にするのが、一番おいしい食べ方のように感じています。
ほうれん草には独特のエグミがあったり、歯ごたえの良さなども考えると、適度な濃さの味付けしてエグミを抑え、歯応え食感を活かせるのは「和え物」だと思うからです。
「お浸し」「白和え」「胡麻和え」「ポン酢和え」など様々な和え物ができますが、
今回ご紹介したいのは「ナムル」
焼き肉屋さんの定番料理で韓国料理ですが、和食的に言えば「和え物」といえるような気がします。
胡麻油と胡麻を多めに使い、しょう油味をベースに甘みを少し加えて、胡麻の香りですごく食が進む料理ですね。
いつまでも口に含んでいたい、そんな味付け。
で、他にもいろいろ「和え物」がある中で、「ナムル」にした理由は「油分」が多いから。
カロテンは脂溶性で、油と合わせると食材からカロテンが多く溶け出て体での吸収率が上がるんです。
油と合わせることで、さらに無駄なく栄養素を摂ることができます。
ということで胡麻油たっぷりの「ナムル」をおすすめしたい。
ほうれん草だけで「ナムル」にしてもいいのですが、やっぱり料理は見た目で「食べたい!」と思えるかどうかが大きく変わります。
なので、「もやし」と「人参」も加えて、彩り良くしました。
緑色に白色と赤色を加えるとすごく色が冴えるので、こういう色の使い方を知っておくといろんな料理に応用できますよ。
「ほうれん草の彩りナムル」は、
粉カツオ節も加えてあるので胡麻油のコクと合わさり、旨味が濃厚な和風の味付けになってます。
副菜に…
酒の肴に…
ビビンバ丼にしてもいいですね。
レシピ見て下さい!
↓↓
【材料】(3~4人前) | 分量 | 備考 |
ほうれん草 | 1束(200g) | |
人参(小) | 1/2本(50g) | |
もやし | 1/2P(100g) | |
つぶ胡麻(飾り用) | 少々 |
【ナムルたれ】 | 分量 | 備考 |
すり胡麻 | 大さじ1杯と1/2杯 | |
みりん | 大さじ1杯と1/2杯 | |
濃口しょう油 | 大さじ1杯 | |
粉カツオ節 | 小さじ2杯 | |
胡麻油 | 大さじ杯 | ※人参を炒める油として使用 |

蓋付きの鍋(深い鍋)に小皿を2枚(分厚い小皿の場合は1枚)中央に置き、
小皿の高さ(まで水(湯))を入れます。(小皿が浮く場合は中に水を入れる)
蓋をして「弱火」にかけて温めておきます。

水気もよく切ります。

束ねて、先に葉の部分を「縦」3~4等分に切ります。
※葉は茎に比べ横幅が広いので縦も切る。




フライパンを中火で40秒熱し、胡麻油(大1)を入れて広げ、
「弱火」にして人参を入れてやわらかくなるまで、混ぜながら炒めます。(焦がさないように)
※油で炒めて加熱すると、カロテンが多く出てきますし、人参の甘みも増して感じます。

”このまま”おいて、自然に冷まします。(コンロから外しておく)

切ったほうれん草をザルなどに入れ(広げて)、
即席蒸し器(沸騰状態)に入れ、強火で蒸します。(1分半~2分)

別のザルに入れ、団扇などで扇いで素早く冷まします。(粗熱が取れたらOK)

やわらかくなったら取り出して、扇いで冷まします。


大きいボウルにすり胡麻・みりん(各大1と1/2)、濃口しょう油(大1)、粉カツオ節(小2)を入れ、泡立て器などでよく混ぜておきます。
※このボウルでたれと具材を混ぜるので、大きいボウルのほうが良い。

胡麻油も残さず全部入れて下さい(たれの調味料の1つなので)。(ゴムヘラなど使う)
※人参がまだ温かい場合は、扇いで冷ましてから入れる。

※人参が潰れないよう、丁寧に混ぜる。
混ざったら出来上がり!しばらく置いたほうが味が沁み込むので容器などに移し変えておきます。

冷蔵保存で、約1週間日持ちします。
できるだけ、早く食べ切って下さい。
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