【栄養逃がさない低温蒸し鍋とは?】
健幸料理家 佐藤周生です。
今回は、「栄養素を逃さない簡単蒸し鍋」を伝授します。
先日、読者さんから「野菜の栄養素を多く摂る方法を教えて下さい。」をいうメールを頂きました。
この答え、時々お伝えしていたのですが、メールを頂いたことで「まだまだ浸透してないな」と感じたので、今回はあらためてお伝えしようと思います。
まず、栄養素には脂溶性と水溶性がありまして、特に水溶性の栄養素は失われやすい…
話が長くなるので、今回は”水溶性の栄養素且つ、加熱調理で失うリスク”に関してだけ触れますが、水溶性の栄養素は字のごとく、水分に浸けると溶け出ます。
要は「茹でる」「煮る」という加熱調理では【水分の中で調理する】ので、多くの水溶性栄養素が失われると…
これ、栄養素の種類によって損失率は変わりますが、
例えば「茹でる」調理ではビタミンCが約60%も失われます。
(水に溶ける影響+加熱の影響もあり(この影響は意外と小さい))
「茹でる」調理は半分以上の栄養素を失うわけです。
「煮る」場合は、煮汁に溶け出た栄養素が残っているので、汁も食べる(飲む)なら栄養素は多く摂れます。(特にミネラル(カリウムなど)・ファイトケミカル(ポリフェノールなど)の栄養素は多く残る)
なので、普段野菜から多くの栄養素を多く摂りたい場合は「茹でる」調理は、できるだけ避けるほうがいいと。
では、どんな加熱調理がいいのか?というと…
『蒸す』です。
加熱調理で栄養素を一番失わないは『蒸す』。
(※「揚げる」や「炒める」の調理も栄養素は残りやすいですが、”糖化”や”酸化”の悪影響がある…老化の原因になる)
蒸し調理では栄養素全体で10~20%の栄養素しか失いません。
8割~9割もの栄養素が残ると…
なので、例えば菜っ葉類を下茹でする場合でも「お湯で茹でる」より『蒸す』ほうが栄養素は多く残るわけですね。
もちろん、野菜を「生」で食べれば、失う栄養素はほとんどありません。
(【注】野菜を切ってから洗った場合も多くの水溶性栄養素を失う…これについてはまたの機会に。)
とはいえ、生で食べにく野菜もありますから、加熱調理する場合に『蒸す』がおすすめということです。
ということで、今回おすすめする料理は
「豚バラ肉とたっぷり野菜の蒸し鍋」。
小鍋に具材を入れ、塩と少量の水を加えて10分蒸すだけ…
具材にこんにゃくを使っているのですが、これを鍋底に敷いて、その上に他の野菜をのせて蒸します。
こんにゃくが上げ底のようになって、他の野菜は水に直接触れないので「蒸す」状態になると。
野菜の栄養素は多く残ります。
こんにゃくに関しては元々加熱された食品ですから、直接水分に浸けても加熱しても栄養素にほとんど影響しないです。(もともと栄養素が抜けている食品)
「豚バラ肉とたっぷり野菜の蒸し鍋」は、具材をポン酢に浸けながら食べるスタイル…
野菜ばかりだとあっさりし過ぎるので「豚バラ肉」でコクを加えてます。
また、この鍋は蓋を少し開けた状態で蒸すので、若干温度が下がり「低温調理」になるので、
食材の旨みと甘み、そして歯ごたえも残って食べ応えがあります。
ご存知だと思いますが、「蒸し煮のタジン鍋」のような感じ。
とにかく、簡単で各素材の味が楽めて、栄養素も多く摂れる美味しい鍋です。
朝晩、冷えるようになってきたこの時期…
栄養たっぷりの”蒸し”鍋料理はいかがでしょうか。
簡単すぎて詳しいレシピなんて不要かと思いますが、
一応、見て下さい!
↓↓
【材料】 (1人前)
豚バラ肉厚切りスライス…100g(厚めにスライスしてあるもの)
こんにゃく…80g
もめん豆腐…1/3丁
青ねぎ…20g
小松菜…1/3束
白ネギ…20g
しめじ…30g
キャベツ…100g
水…100cc
塩…少々
ポン酢…適量
薬味…刻みネギ、胡麻(各適量)
【即席手作りポン酢】 (1人前)
穀物酢…大さじ1杯と1/2(約22cc)
みりん…大さじ1/2杯(約8cc)
濃口醤油…大さじ1杯(15cc)
削りカツオ節…軽くひとつかみ
刻みネギ、白胡麻を入れたポン酢を浸けながら食べて下さい。
定番鍋に飽きた時に特におすすめです。
是非、作ってみて下さい!
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