ほったらかしで旨い煮物
ほったらかしでできる煮物を伝授します。
佐藤 周生です。
全開に続き、京都の話になるのですが、
「法輪山 了徳寺(ほうりんざんりょうとくじ」というお寺があります。
このお寺、通称「大根焚寺(だいこんだきでら)」といって、毎年、12月の9日、10日にある行事が行われます。
ものすごく大きな釜で大量の大根を塩で焚いて食べる、
「大根焚き」と行いう事。
採れたての新鮮な大根を皮も剥かず、大きくザクザクっと切って塩だけで味付けした煮汁で焚きます。
昔は塩のみでしたが、現在はしょう油も少し入れるそうですが、それ以外の調味料は何も入れません。
ほぼ大根そのものの素材の味で食べるわけです。
大量に焚くので、大根の甘味・旨味がたっぷり煮汁に溶け出て、それが再度、大根にしみ込んでなんとも言えない自然な甘みを存分に味わえる煮物になる。
そして、軟らかく仕上がっていて食べやすい…
この行事の由来は、
鎌倉時代の建長4年頃、村人がお坊さんが説法してくれたお礼にと、何ももてなすものがなかったので新鮮な大根を焚いてご馳走したことが由来のようです。
私、たまたまその行事をテレビで見まして、子どもが大根をめちゃくちゃおいしそうに食べてたの印象的でした。
で、「うまそうだなぁ~」と思って、この行事の料理をヒントに大根の煮物で一品、レシピを考えました。
今回は、その料理を伝授!
家でおかずとして食べるには、大根だけだとシンプル過ぎるので「油揚げ」を加えます。
油揚げの脂分でコクが出て美味しさが増す…
でも、煮汁が薄味なので、すごくあっさり味。
で、この煮物、普通の大根で美味しくできるのですが、できれば「丸大根」を使って頂きたい。
なぜなら、丸大根は普通家庭でよく使う「青首大根」より甘みが強いからです。
「聖護院大根」ともいいますが、加熱するといっそう甘味が拡大。
煮物のための大根と言えます。
もし、スーパーで丸大根があればそれで作って頂きたいです。(無ければ普通の大根でOK)
この料理何より、簡単に作れる。
水・みりん・淡口醤油で煮汁を合わせ、旨味を強くするためカツオ節も加え、その中に大きく切った丸大根と油揚げを入れて40~50分焚くだけ。
後は、ほぼほったらかし。
タイマーだけセットして、その間に他の料理作ったり、風呂に入ってもいいです。
風呂から出たら美味しく焚き上がった「丸大根と油揚げの煮物」がすぐ食べられます。
私は、丸大根をよく「おでん」に入れて焚きますが、やはり甘味が強いです。
ほっこりする優しい甘み…
今回の煮物でも同じように甘く美味しく焚けました。
素材の味を楽しめる逸品ですね。
作り方、説明します!
↓↓
【材料】 (3~4人前)※多い量で作ったほうが美味しくなります。
丸大根…中1個
油揚げ…1枚
(正方形の厚みのあるものがいいです)
【煮汁】
水…1500cc
みりん…70cc
淡口醤油…70cc
かつお節…2つかみ

葉の部分と底の部分を切り落とします。
それを横、2等分します。(輪切りの状態)


3~4mm厚で剥いて下さい。

(画像は、中途半端に残っていた油揚げも加えたので1枚半になってでます)

丸大根、油揚げの順に加えます。(油揚げが「落し蓋」なってくれます)
強火にかけます。(材料を入れてから火をつける)
※煮汁が沸いてから大根を入れると外側だけやわらかく、中が硬く仕上がってしまうので。


2~3回、アクをすくい取ります。

焚けたら火を止めます。

是非!作ってみて下さい。
焚きあがってから、時間をおけばおくほど、大根の中の中まで「味」がしみ込みます。
1日ねかせると完全に中までしみ込みます。
材料の量が多いので冷蔵庫にしまうのは、大変だと思います。
なので、
鍋のまま出しっぱなしで腐らない方法を伝授します。
焚きあがったら、火を止める前に強火にして完全に沸騰させから火を止めます。
これでOK。
冬の寒い時期なら、一日出しっぱなしでも腐りません。
で、あくる日食べる時に再度、温めて食べて下さい。
一日出しっぱなしが、不安のときは、仕事に出る前に一度沸騰させ下さい。
これで完璧!腐りません。
一日ねかせて食べるほうが最高に美味しいです。
完全に「味」がしみ込んでますからね。
沸騰させておく方法は、「みそ汁」でも応用できます。
ただ、煮詰まって味が濃くなるので、水を少し足してから温めて食べて下さい。
「丸大根と油揚げのあっさり煮」
作ってみて下さい!
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