「すごい!」といわれるようになる”蛇腹胡瓜”とは?
健幸料理家 佐藤 周生です。
今回は、「さっぱりする簡単!魚の酢の物」を伝授します。
時々お伝えしている「消化の負担」…
肉・魚から摂れるタンパク質や脂質の消化というのは長くて48時間もかかります。
完全に消化できるまで丸2日かかることもあると。
なんとなく消化に負担がかかっていることは想像できると思います。
もし、食べたものが消化できず、消化器官で詰まってしまえば、大変なことになりますよね。
最悪、死ぬかもしれない。
ちょっと例えが違うかもしれませんが、現実に食べ物が喉に詰まって窒息死することもあるわけですからね。
なので、私たちのカラダは消化活動を必死で行ってくれていると。
ですが、
たんぱく質や脂質を摂り過ぎると”体を正常に保つ”など他の重要な生命活動エネルギーが消化に奪われてしまうのです。
「脂質は摂り過ぎては駄目」といいますが、実はたんぱく質も摂り過ぎると大きな消化負担になるのですね。
また詳しくお伝えするのですが、「たんぱく質をたくさん摂りましょう!」と言うのは間違っている可能性がある。
例えば、98%遺伝子が人間と同じと言われるゴリラ…
ほぼ「植物食」であり、たまに虫を食べるくらいで肉や魚をガッツリ食べることはほぼ無いと言われてます。
たんぱく質を多く摂ってない。
なのに筋骨隆々、物凄い力がありますよね。
何よりその食生活で健康に生きている。
ゴリラと98%同じ遺伝子の人間がたんぱく質を多く摂る必要があるのか?と。(賛否両論ありますが)
チンパンジーやサルも人間と遺伝子が99%同じと言われてますが、肉魚を食べません。
たんぱく質を多く摂って無いですよね。
果物(野菜も)が主食ですから。(野菜・果物にも微量のたんぱく質を含む)
「摂り過ぎると問題があるから本能的に多く摂らないのでは?」という考え方もできると思います。
とはいえ、人間は肉も魚も食べて生きてきたので、やっぱり食べたくなる…
そこで、消化負担を軽減できる食べ方があります。
それは「生で食べる」です。
長くなるので端折ってお伝えしますが、生の食物には消化酵素を含み、それが消化負担を和らげるのですね。(食べ物の酵素の効果は胃酸で消えるといいますが、あれは一時的に活性が止まるだけで腸に到達すると再び活性します)
魚なら刺身、たたき…肉も刺身やたたきができますけども、ユッケも生で食べますよね。
ということで今回のおすすめ料理は夏にピッタリ!さっぱりで食べられる、
「サーモンと胡瓜の三杯酢」…
私、たまにサーモンの刺身をガッツリ食べたくなるので、先日ブロックで買ってきたのですね。
ですが、
なんやかんやで外出の用事が増え、家で食事できず、刺身はおあづけに…
「明日は、食べるぞ!」と思いきやと次の日も前日と同じパターンになり、家に帰ったのが、夜中1:00。
サーモンを買った日が夜遅かったこと、そこの魚屋さん(スーパー)の魚は、なぜかいつも鮮度が落ちるのが早い…
そのことがあって、2日目の夜ともなると刺身で食べるには厳しい…(飲食店では2日目を消費期限にしていることが多いです。魚屋さんの場合、魚の扱い方が悪いこともあるのですごく鮮度に差が出ます)
刺身は無理ということで、ある基本の調理法をサーモンに施しました…
その基本の調理法とは「塩で〆る(しめる)」です。
要は”しめさば”と同じですね。
塩を当てることで菌の増殖がなくなり、それ以上鮮度が落ちるのを抑えることができます。
通常、しめさばは、お酢にも漬けますが、今回は塩でしめるだけ。
和食で魚の酢の物を作る時は、よくこの方法を用います。
例えば、お正月の料理で、「サーモンの絹田巻き」という酢の物。
塩でしめたサーモンを薄く桂剥きし、甘酢漬けにした大根で巻いた料理。
真ん中で切ると、白い大根に巻かれた中央のサーモンの赤色が引き立ってすごく綺麗です。
こんな感じの料理↓↓
もちろん、サーモンを生のまま酢の物にすることもできますが、
「塩でしめる」ほうが絶対に美味しいです。
なぜなら、魚は塩を当てることで、余分な水分と共に臭みが抜けます。
さらには、身のたんぱく質が分解され、アミノ酸になり、旨味を強く感じることができるからです
塩シャケや干し魚が美味しいのは、この効果。
腐敗を防ぐこともできますし、他にも調理上いろんなメリットがあったり、身に透明感がでるので、見た目も綺麗です。
なので、一石二丁どころではなく、一石4丁、5丁。
塩の効果というのは凄いわけです。
これを見つけた昔の人、尊敬します。
ということで、このような料理の基本を覚えておくだけで、同じ料理を作ったとしても、もっと上のレベルの味にすることができます。
で、話を戻しまして…
しめたサーモンを、簡単な酢の物に。
「サーモンと胡瓜の三杯酢」
しめたサーモンと胡瓜に三杯酢をかけるだけ。(三杯酢も簡単にできます)
簡単です。
さっぱりして、ちょっと塩気を強めに感じる、夏にも合う酢の物一品
胡瓜は通常、”薄切りにして塩もみ”しますが、定番通りの胡瓜をお伝えしても面白くないので、
ちょっと切り方を工夫してプロっぽく見せる方法でレシピを紹介します。
『蛇腹胡瓜(じゃばらきゅうり)』
蛇のお腹ように見えるので、この名前が付いたようです。
胡瓜っぽく見えないので、見た目が面白い。
見栄えがよくなります。
この方法を知っておくと「こんなことできるの!すごいな!」とひと目おかれるはずです。
是非やってみて下さい。
↓↓
【材料】(2~3人前)
刺身用サーモンブロック…200g
胡瓜(小)…1本
塩…適量
つぶ胡麻…少量
【三杯酢】 (2~3人前) 「だし4:酢2:みりん2:淡口醤油0.5」
だし…大さじ4杯(60㏄)(または、水60㏄。味は落ちます)
酢…大さじ2杯(30cc)
みりん…大さじ2杯(30cc)
淡口醤油…大さじ1/2杯(7.5㏄)
1、サーモンは、べた塩にします。(全体にたっぷり塩をまぶす)
サーモンの厚みが薄い場合は、べた塩したのち、塩をはたき落として
下さい。
2、バットなどにのせ、20分~30分おきます。
3、胡瓜を”蛇腹切り”にします。(大きい胡瓜だったので1/2本にしています)
斜めでうしぎりにします。下まで切り落とさないで、半分より深い位置
まで切って下さい。
4、 6割の深さまで切ります。 刃先のほうが少し深く切り込んでいます。
5、ぎりぎりのところまで、切って下さい。
6、半回転させます。あとは同じように切っていきますが、6割の深さまで
切っているので、反対面は4割だけ切って下さい。
7、上手くいけば、ご覧のようにクネッと曲がります。
8、断面を見るとわかりますが、左が上手くいった例。中央がかろうじて
繋がっている状態が正解。右が失敗例、中央を通り越して両側から切っている
ので、ちぎれそうになっています…
(たぶん最初は上手くいかないので、”失敗して当たり前”と思って挑戦して
みて下さい)
9、5~6等分に切ります(輪切り)
10塩水を作ります。300ccの水に、3g(3つまみ)ほどの塩を入れてよく混ぜ
ます。
11、塩水に蛇腹胡瓜を浸けて、10分~15分ほどおきます。
12、三杯酢を作ります。
ボウルに だし(大さじ4杯)、酢(大さじ2杯)みりん( 大さじ2杯 )、淡口
醤油(大さじ1/2杯)を合わせて、よく混ぜておきます。
13、15~20分おくと、水分と共に臭みが出てきます。身のほうは旨味が増して
います。
14、流水で、塩を洗い流します。
15、しっかり水気を拭き取ります。
16、3mm厚くらいでへぎ切りにします。(5~6枚)
17、蛇腹胡瓜を塩水から取り出し、潰れないように絞って水分を抜きます。
小鉢の奥側に重ねて盛ります。
18、サーモンを折り曲げて、胡瓜の手前に盛ります。
19、三杯酢をタップリかけます。
20、中央につぶ胡麻を少量ふって完成です。
残りのサーモンは、冷凍しておけば1ヶ月は使えます。
(解凍して生で食べられます)
できれば、食べる分づつ冷凍しておくと便利です。
半分凍ったままで食べれば、「ルイベ」になりますね。
シャリシャリして冷たく美味しいです。
是非、サーモンを買って作ってみて下さい。
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