【心臓バクバク、冷や汗タラタラの嫌~な「胡麻」の思い出…】
健幸料理家 佐藤周生です。
今回は、「簡単に応用できる”胡麻酢の”和え物”」を伝授します。
突然ですが、昔体験したことを思い出すことってありませんか?
何か物を見たり、ある場所に行ったり、ある音楽を聴いた時に思い出す嫌なこと。
私、そういうのがけっこう多いのです。
特に料理人として働いていた時。(23年もやってましたから)
例えば、こんなイヤ~な嫌な思い出があります…
修行に入って(18歳)1年ほど経ったの頃でした…
和食では、胡麻を擂り潰して使うことが多い。
これ、「すり鉢」を使って擂り潰すわけですが、家庭にあるように小サイズの「すり鉢」ではなく、
直径50cmくらいの特大すり鉢を使う。
値段でいうと6万円、7万円するわけです。
修行に入ったばかりというのは、丁寧な仕事が身に付いてないですから、調理道具でも無意識に扱い方が雑になる…
さらに先輩たちからは「早くやれ!」と煽られますから、あわててしまい余計に雑になります。
で、ある日、ガッシャ~ン!とやっちゃっわけです。
その日は、いつもより気が抜けていまして、
胡麻豆腐用の胡麻を擂り潰して使い終わったあと、その特大のすり鉢を運んでいる時に手を滑らせて落とし、割ってしまったわけですね。
7万円が木っ端微塵に…
すぐに「す、すいません!!」といいましたけれど、
こういう時なぜか、おやっさん(お師匠さん)からも「なにやっとんや~!」とか怒鳴られない。
何も言われないかったのですが、先輩たちもあきれた顔で、何とも言えないその場の空気で恐怖を感じるわけです。
心臓バクバク、冷や汗タラタラで破片を片づける…
「怒鳴られた方がマシ」と思うほど精神的圧力が凄まじかったです。
そんな思い出したくないけど、「胡麻」を見ると時々思い出してしまう嫌~な体験の1つです。
あなたもそういう何か物とか場所とか音楽で思い出してしまう嫌な経験ってありますよね?
でも、そういう経験があるから、
例えば、「陶器の道具の扱いには特に気を付けなければ」と注意するようになって、丁寧な仕事が身に付いていくのではないかと…
調理の仕事に限らず、道具の扱いは丁寧でなければならない仕事はたくさんあると思います。
あらためてそういう経験を思い出すと、成功の体験より失敗の経験のほうが自分にとってプラスになることが多いように感じますし、
どんな経験にも無駄はないなと思います…
というわけで、
今回のおすすめは、そんな嫌~な「胡麻」を思い出してしまう(笑)、
「もやしと胡麻」の簡単な野菜一品。
『もやしの胡麻酢和え』
もやしを蒸して冷まし、胡麻酢と和えるだけ。
ほんのり酸味のある胡麻風味の濃厚なさっぱりの副菜料理。
もう一品欲しい!酒の肴に野菜が欲しいという場合の野菜料理に最適です。
味は、少し胡麻ドレッシングに近いですが、安い「もやし」でも調理次第でちょっと上品になります。
で、もやしは茹でて加熱してもいいのですが、茹でると栄養素が多く溶け出るので「蒸す」ほうがおすすめ。
蒸すと茹でるほど多くの栄養を失わないですから。
そもそも「もやし」は水分が90%と多く、残り10%に栄養素が詰まっている…
他の野菜と比べると栄養素の割合が少ないので10%は貴重です…
(とはいえ、ビタミン・ミネラルを一通り含んでいたり、アミノ酸の1つであるアスパラギンも含み、疲労回復効果に繋がります)
できるだけ逃さないほうがいいですよね。
なので、茹でずに「蒸す」ってことです。
それから「胡麻酢」…
これは通常「練り胡麻(当たり胡麻)」を使うのですが、今回は「すり胡麻」で作る方法で紹介しています。
当たり胡麻ほど油分を感じないので、さっぱり感が強い仕上がりになる。
「こんな作り方もできるんだ」
と知っておいて頂けると、「練り胡麻」が無くても作れますからね。
「胡麻酢和え」は、野菜の種類を代えるだけで応用できますから、菜っ葉類はもちろん、ほとんどの野菜で作ることができます。
読者さんからも「胡麻酢、美味しいです!」というお声をよく貰ってます。
では、レシピご覧下さい!
↓↓
【材料】(1人前)
もやし…1/2P(100g)
白胡麻(粒ごま)飾り用…少量(あれば)
【胡麻酢】
すり胡麻…大さじ2杯強
みりん…大さじ1杯と1/2杯
酢…大さじ1/2杯
淡口醤油…小さじ2杯
若干薄味の「胡麻酢」にしてますので、和えてすぐ食べる場合は、全体的にちょっと薄味に感じるかもしれません。
5時間~一晩寝かせれば、もやしに味が滲み込み、丁度いい味加減になります。
ちなみに…
あと、この料理は酢の物なので日持ちして作り置きもできますので、多めに作っておいてもいいかと思います。
もやしだけでも美味しいので、
是非、作ってみて下さい。
この記事へのコメントはありません。