「もやしでさっぱり味のお手軽副菜」
佐藤 周生です。
今回は、「簡単に応用ができる胡麻酢和え」を伝授します。
突然ですが、昔体験したことを思い出すことってありませんか?
何か物を見たり、ある場所に行ったり、ある音楽を聴いた時に思い出す嫌なこと…
私、そういうのがけっこう多くて若い時、修行に入ってすぐの頃です、
「胡麻」のことで気分がドンより沈む、イヤ~な思い出があります…
和食では胡麻を擂り潰して使うことが多いです。
これ、「すり鉢」で擂り潰すわけですが、家庭にあるように小サイズの「すり鉢」ではなく、
直径50cmくらいの特大すり鉢を使う。
値段でいうと6万円、7万円とかするわけです。
修行に入ったばかりというのは、丁寧な仕事が身に付いてないですから、調理道具でも無意識に扱い方が雑になる…
先輩たちからは「早くやれ!」と煽られますから、あわててしまい余計に雑になります。
で、ある日、ガッシャ~ン!とやっちゃっわけです。
その日は、胡麻豆腐用の胡麻を擂り潰したのですが、使い終わったあと、その特大のすり鉢を運んでいる時に手を滑らせて落とし、割ってしまったわけですね。
7万円が木っ端微塵に…
すぐに「す、すいません!!」といいましたけれど、
こういう時なぜか、おやっさん(お師匠さん)からも「なにやっとんや~!」とか怒鳴られない。
何も言われないかったのですが、先輩たちもあきれた顔で、何とも言えないその場の空気で恐怖を感じるわけです。
心臓バクバク、冷や汗タラタラで破片を片づける…
「怒鳴られた方がマシ」と思うほど精神的圧力からの恐怖が凄まじかったです。
思い出したくないけど、「胡麻」を見ると時々思い出してしまう嫌~な体験の1つですね。
あなたもそういう何か物とか場所とか音楽で思い出してしまう嫌な経験ってありますよね?
でも、そういう経験があるから、
例えば「陶器の道具の扱いには特に気を付けないといけないと注意するようになって、丁寧な仕事が身に付いていくのではないかと…
あらためてそういう経験を思い出すと、成功の体験より失敗の経験のほうが自分にとってプラスになることが多いように感じますし、
どんな経験にも無駄はないなと思います…
で、
今回のおすすめは、その嫌な思い出の「胡麻」と「もやし」で簡単な野菜一品。
「もやしの胡麻酢和え」
もやしを蒸して冷まし、胡麻酢と和えるだけ。
ほんのり酸味のある胡麻風味の濃厚なさっぱりの副菜料理。
あと一品の野菜料理に最適です。
胡麻ドレッシングに近い味ですが、安い「もやし」をこういう料理にするとちょっと上品になります。
で、もやしは茹でて加熱してもいいのですが、茹でると栄養が多く抜けるので「蒸す」のがおすすめ。
蒸すと茹でるほど多くの栄養を失わないですから。
そもそも「もやし」は、水分が多く栄養分が少ないので、できるだけ逃さないようにしたほうがいいですよね。
それから「胡麻酢」…
これは通常「練り胡麻(当たり胡麻)」を使うのですが、今回は「すり胡麻」で作る方法で紹介しています。
当たり胡麻ほど油分を感じないので、さっぱり感が強い仕上がりになる。
「こんな作り方もできるんだ」
と知っておいて頂けると、「練り胡麻」が無くても作れますからね。
「胡麻酢和え」は、野菜の種類を代えるだけで応用できますから、菜っ葉類はもちろん、ほとんどの野菜で作ることができます。
読者さんからも「胡麻酢、美味しいです!」というお声をよく貰ってます。
では、レシピご覧下さい!
↓↓
【材料】(1人前)
もやし…1/2P(100g)
白胡麻(粒ごま)飾り用…少量(あれば)
【胡麻酢】
すり胡麻…大さじ2杯強
みりん…大さじ1杯と1/2杯
酢…大さじ1/2杯
淡口醤油…小さじ2杯

弱火にかけておきます。
※「即席蒸し器」に関しては、以下の動画の冒頭で説明していますので参考にして下さい。


沸騰した即席蒸し器に入れて蓋をし、強火で3~4分蒸します。(太いもやしは4分くらい)

大きいボウル(このボウルで「もやし」を和えるので大きいボウルで)にすり胡麻(大2強)、みりん(大1と1/2)、
酢(大1/2)、淡口醤油(小2)を入れます。


硬い場合は、さらに1~2分蒸します。

※急ぐ場合は器などであおいで冷ます。



若干薄味の「胡麻酢」にしてますので、和えてすぐ食べる場合は、全体的にちょっと薄味に感じるかもしれません。
5時間~一晩寝かせれば、もやしに味が滲み込み、丁度いい味加減になります。
ちなみに…

菜っ葉類を加えると彩りが良くなって、美味しそうな見栄えになります。
豆苗を加える場合は1cm幅に切って、あとはもやしと同じように蒸して加熱。
青野菜は熱い状態のままで長く置くと色が飛ぶので(綺麗な緑がくすんだ色になる)、できるだけ早く冷まして下さい。
これは青野菜調理の基本ですね。
あと、この料理は酢の物なので日持ちして作り置きもできますので、多めに作っておいてもいいかと思います。
もやしだけでも美味しいので、
是非、作ってみて下さい。
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