「鼻をつまんでコーヒー飲むと…」
夏、終わりますね…
佐藤 周生です。
私は和食の元料理人なので、やはり料理を考える時はその時の春夏秋冬を強く意識します。
四季は、3月から5月が春、6月から8月が夏、9月から11月が秋、12月から2月が冬というのが一般的。
でもこれ、いろんな学術別の分け方があって、上記の一般的な分け方は気象学的な分け方。
他にも暦別や天文学的、年度別もあります。
詳しくは、⇒こちらが参考になると思います。
で、8月が終わる、となれば、
「夏の料理は終わりにしないとな」
「9月からは秋の料理にしよう」
と考えるわけですね。
でも、体感的なことも考えないといけないので、
「ここ一週間はまだ暑さが続くな」となれば、冷たい料理もちょっと混ぜたりしながら、柔軟にレシピを考えるようにしています。
9月に入ったら、全体的には秋の食材を意識した料理に変えますが、
「9月だから秋の料理!」「冷たい料理は完全に終わり!」と決めつけず、体感温度も意識します。
こういう季節感とか、体感温度でその時の料理を考えられるというのは、実際にお客さん相手に料理を作ったきた経験が大きいと思います。
例えば、9月に入っても中旬くらいまでは結構暑さが続きますから、お客さんは汗をかいて店に入ってくる…
秋は涼しいと言っても、体感的には暑いわけです。
なので、お店的には季節感も感じて頂きたいので、秋の料理に変えつつも夏の冷たい料理もまだ続けておくとか、そういった感じでやっていました。
例えば、一品料理で言えば、「焼き茄子」は止めて「茄子田楽」で秋を感じて貰って、冷やっこはまだ続けるとか。
(冷奴は年中やっている店もありますけど、私が勤めたお店のほとんどは、体感温度を確かめながら湯豆腐に変えてました)
家庭なら無意識にそうなっているかもしれませんね。
暦は「秋」といえども、体感的に暑ければ冷たい料理も食べますから。
食べ物関係の仕事や商売している方は、そういうことを特に意識した方がお客さんは喜ぶと思います。
逆に意識してないということは、お客さんのことを考えてないとも言えますね。
食べるを「仕事」で考えいると「自分たちの都合」になっていることもありますので。
私も「 自分たちの都合」 で料理を考えてしまい、売上落とした経験があります…
そんなわけで、8月最後ですから一応「四季」の区切りを付けるという意味で「夏の料理」は、今回で終わりにしようと思います。
夏、最後の料理はこれ、「薬味ごはんのカツオ叩き丼」。
熱々白ごはんに刻んだ大葉・生姜とすり胡麻を加えて混ぜ、丼鉢に盛る…
カツオ叩きの切り身をのせて刻みネギと海苔をのせて「カツオたたきの海鮮丼」。
生姜醤油をかけて食べて頂く。
薬味ごはんにすることで風味が加わり、カツオ叩きの臭み消し効果にもなるのですね。
風味が付くと白ごはんとは違う感覚で丼を楽しめます。
この調理法は、「さばの棒寿し」から得たヒント。
さばの棒寿しは、いろんな作り方があるのですが、私が一番おいしいと思っているのは、シャリに薬味を混ぜ混む方法。
人間は舌で感じる美味しさより先に「香り」で美味しさを感じ取ります。
なので、シャリに薬味を加えることで香りが加わってより美味しく感じる。
例えば、こんな実験でも分かる…
誰かに何を飲ませるか内緒にして、目隠しして鼻をつまんで貰ってブラックコーヒーを飲ませてみて下さい。
何を飲んでいるか分からないですから。
カレーライスでも同じようにして食べれば始めは何を食べているのか分からないと思います。
そんな実験でも香りの効果が分かるのですが、料理は風味を加えるだけでも美味しくなるってことです。
「薬味ごはんのカツオ叩き丼」 は、その効果を活用した美味しさアップのどんぶりですね。
薬味ごはんなら、カツオ叩き以外の魚の海鮮丼でも同じように美味しくなるので、簡単に応用可能。
海鮮丼は元々美味しいですから、それより美味しくなるのは何となく想像できると思います。
加熱作業がありませんから、調理10分程度。
簡単レシピ、みて下さい。
↓↓
【材料】(1人前)
かつおたたき(刺身)…6切~7切
ごはん…茶碗大盛1杯分
生姜…薄輪切り 【小】 5枚(10g)
大葉(大)…3枚
すり胡麻…大さじ1杯
刻みネギ…少量
刻み海苔…少量
粉カツオ節…少々
おろし生姜…少量
濃口醤油…大さじ1杯
生姜醤油をかけて食べて下さい。
カツオ叩き(刺身も)には、生姜がよく合います。
鮮度の良いカツオタタキの刺身を買って、是非作ってみて下さい。
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