人気メニュー量産の思考法

新しい商品を考えてはいけない!?

今回は、飲食店関係の方に役立つ情報を
シェアしたいと思います。

佐藤です。

最近、新しい読者さんにはアンケートに
ご協力して頂いているのですが、

その中で、頂いた質問…

「私は小規模飲食業の支援を行っていて、
大変厳しい環境なのが現状です。
看板メニューや人気メニューを創作する
秘訣をご教授いただければ幸いです」

ということで、今回は、

「看板メニューや人気メニューを
考え出せるアイディア量産法」

を伝授します。

家庭で料理される方でも、
「何かいつもと違う料理を自分で
考えて作ってみたい!」

と思ったときにも役立つ内容なので
良かったら聞いて下さい。

で、

看板メニューや人気メニューを考える
時にまず、一番大事なことは、

「新しいものを作ろうとしてはいけない」

ということです。

少し考えてみて欲しいのですが、飲食店の
メニューに限らず、世の中のヒット商品や
人気商品ってよ~く観察すると、

すでに人気だった商品、あるいはみんなが
知っている商品にちょっとアレンジが
加わっているだけのものが多いのですね。

例えば、「苺大福」。

大福もちは、昔からありました。
この中に苺を丸ごと鋳込んだのが
「苺大福」です。

甘いあんこに苺の酸味と香りが口に
広がると何ともいえないおいしさが
ありますよね。

これは、昔からあったものに”苺”という
1つの要素をくっ付けたパターン。

他には、「野菜ジュース」。

今売れていると思うのは、
KAGOMEさんの「野菜一日これ1本」
伊藤園さんの「一日分の野菜」では
ないでしょうか。

実は野菜ジュースも結構昔からあった
のですね。

1950年代には明治製菓から明治野菜
ジュース・V7という野菜ジュースが
すでに発売されていました。

で、今「野菜一日これ1本」「一日分
の野菜」がなぜヒットしているのかと
いうと”コンセプト”なんですね。

現代人は野菜不足。

で、みんな「野菜食べないといけない!」
と思ってますよね。

だから、これ飲むだけで1日分の野菜が
摂れる!と喜んでみんな買うわけです。

「一日に必要な350g分の野菜がこの1本
のジュースで摂れますよ」

というコンセプト。要はネーミングですね。

使う野菜などで中身は変ると思いますが
元は昔からあった野菜ジュース。

名前を変えただけでヒット商品になって
いるわけです。

ちなみに「一日分の野菜」、実際は
1本分に500gくらいの野菜が使われて
いるそうです。

ですが、1日に必要な栄養が摂れる
のかというと、摂れないようです…
これ、伊藤園さんが雑誌の取材なんかで
暴露してます。

飲んだらわかりますが、トマトが
圧倒的に多いように感じます…

「実際見た目が赤いし、トマト
ジュースじゃん…」

私、自分で野菜たっぷり使ってジュース
作りますけどあんな色にならないです。

話しを戻しまして、

「野菜一日これ1本」「一日分の野菜」は、

昔からある商品に付加価値を付けて
新しい商品として売り出してヒット
したパターンです。

このように、全く今までに無かった
新しい商品なんてほとんど無いのです。

新しく考え出したとしても、おそらく
誰かがすでに考え出していたりします。
そもそも、新しいものを作るには
莫大なコストがかかります。

試作、試作、テスト、テスト…
時間もかかる。

そんなこと小さい飲食店や中小企業では
なかなかできないですよね。

では、どういう思考で人気商品や
看板商品を考えればいいのか?

すごく簡単に説明すると、

『みんなが好きな商品にいくつかの
要素を足す』

1つでもいいですし、2つ3つの要素を
足して上手くいくこともあります。

これが新しい商品を作る時のアイディア
の基本的な考え方。

「ゼロ」から新しいもの考えようと
してはいけない…

”みんなが好きなもの”、もしくは
”みんなが知っているもの”が重要
ポイント。

みんなが元々好きなものは売れやすい
ですよね。
みんなが知っていれば、どんな商品なのか
わかってもらいやすい。

商品で売れない致命的なことは、
”わかりにくい”こと。

長々と説明しなければ伝わらないものは
わかりにくいので売れないのです。

例えば、私が尊敬する飲食コンサルタント
の橋本さんのお店。

東京で「大人のハンバーグ」という
ハンバーグ専門店を立ち上げ、今は
フランチャイズ展開するほど活動を
大きくされています。

で、要は「ハンバーグ」なんですが、
みんな知っていますし、好きですよね?

ハンバーグそのままでは売れないので、
橋本さんはどうしたかというと…

普通ファミレスなんかのハンバーグ
ですと”鉄板”に盛り付けられて提供され
ます。

これを「溶岩石」のプレートにのせて
提供。

岩石のプレートで焼くと、肉から出る
余分な脂が吸い取られ、また遠赤外線を
出すので、食材の中心にじんわりと熱が
伝わり、焼きすぎず、

肉が柔らかく焼きあがるそうです。
これだけで高級感も出る…

それとソース、「熟成大人のソース」
というこのお店独特のオリジナルソース
をかける。

それから、チェダーチーズがのって
濃厚な味になっているところも特徴
です。

ハンバーグに使う玉子にもこだわって
ビタミンEの多い”地卵黄”を使って
います。

という具合に、

溶岩石にのせたり、チーズを加えたり、
卵にもこだわって、オリジナルソースで
食べるハンバーグになっているわけです

お店の名前も「大人のハンバーグ」
なので、ちょっと高級感があって大人が
ハンバーグを楽しめるお店になってます。

ちなみに肉は和牛100%。
ファミレスのハンバーグよりはやや
お高めです。

お店の売りのハンバーグが1400円だった
かな…

『王様のブランチ』でハンバーグラン
キング全国NO.1を獲得してますし、
「ちょっと行ってみたいな」と
思いますね。

予約しないと入れないことが多いそうです…

この例は、定番ハンバーグに4つの要素
を加えて人気メニューをうみ出した
パターンです。

もう1つ、私の経験…

30代になって大衆割烹のお店に勤め出し
まして、
その店ランチタイムにテイクアウトの
お弁当を販売していました。

売りにしていた2段弁当があまり売れ
ていなかったのですが、私、おかずの
中に毎回入れていた玉子焼きに目を
つけました。

玉子焼きは、みんな好きですよね。

で、味付けを変えようといろいろ
悩みました。

ですが、食べるのはお客さんですし、
お客さんの聞いたほうが早いと思い、
弁当を買ってくれるお客さんに、

玉子焼きの好みの味を売り子の
おばちゃんに聞いてもらうことに
しました。

関西風のだしが効いたあっさり味が
いいのか?

お袋の味で甘めがいいのか?

結局”甘めがいい”という回答が圧倒的
に多かったので、それまでどっち
つかずの味だった玉子焼を思い切って
甘くしました。

で、売り子のおばちゃんに、
「玉子焼をお袋の味に変えました!」
と言って売ってもらいました。

すると、それまで10個前後しか売れ
なかった2段弁当が30~40個売れる
ようになったんです。

不思議と他の弁当も売れるように
なって昼の売上に大きく貢献した経験
があります。

社長に直々にお褒め頂いたので嬉し
かったですね。

新商品ではなかったのですが、玉子焼
にちょっと付加価値をつけただけで
売れない弁当が売れるようになった
パターンです。

お客さんの要望を聞いてそれを要素の
1つとして加える…

これもアイディアを出すときの方法の
1つになるのではないかと思います。

大事なことは、ゼロから新しい商品を
考えようとしてはいけない、

『みんなが好きな商品にいくつかの
要素を足して』新商品にするアイディア
を出していく。

これが人気メニュー、看板メニューを
作り出すための大事な考え方です。

ですから、その”要素”を普段から
探すクセを付けておくことも大事です。

”要素”を見つけるヒントは、自分が
されて嬉しかったサービスや食べ物
ですと何かが加わっていて嬉しく感じ
たことなどです。

要素が加わることで”元”より新商品の
質が上回ってなければお客さんは満足
しないので、

自分が価値を感じたことが”要素”の
ポイントになります。

自分の職業と全く関係のない価値ある
サービスが自分の商品に付け加えると
新たな商品になったり、ヒントに
なったりします。

そういったことをメモするクセを付けて
おくといいと思います。

ちなみに私は、携帯のメモ帳にちょこ
ちょことメモるようにしています。

アイディアばかり浮かんで、実際の
商品作成がなかなか進みませんが…

参考になれば幸いです。

 

追伸:
東京近隣の方は、「大人のハンバーグ」に
是非行ってみて下さい。

で、感想も教えて欲しいです。
↓↓↓
⇒田町「大人のハンバーグ」

 

 

熱々!餡かけ豚平焼き

和風だしの天然チキンラーメン

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コメント

    • 久家裕一
    • 2018年 10月 18日

     こんにちは。メルマガ「人気メニュー量産の思考法」興味深く読ませてもらいました。ゼロから新しい商品(メニュー)を
    考えようとしてはいけない、みんなが好きなものに一つでも新たな付加価値(要素)をたす、”要素”を普段から探すクセを
    付けておくこと、”要素”を見つけるヒント等々、具体的な事例も交えての内容で、なーるほどと参考になるお話でした。
    日々のおかずレシピに生かしたいと思います。 ありがとうございました。忙中これからも頑張ってください。

      • 佐藤
      • 2018年 10月 19日

      久家さん、コメントありがとうございます。

      料理のメニュー以外でも他の職種の新商品作成にも
      使える考え方ですので、お役に立てれば幸いです。

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