【『時短』こんな「魚の煮物」ご存じですか?】
夏が旬で庶民的な「魚」といえば、「鯵(あじ)」
もし鮮度抜群の鯵が手に入ったら、あなたなら、どんな料理にしますか?…
健幸料理家 佐藤周生です。
今回は、
「鮮度を生かした上品な味付けの鯵の煮物」
を伝授します。
時々、「肉魚は消化負担が大きいので食べる頻度は少なめに…」と言っておいて、魚料理を勧めるのも正直、気が引けます…
もちろん、健康的な食べ方を続けることは大事なのですが、
”料理人”としては、たまには思いきって「料理」を楽しんで頂きたいということで、プロの技で魚をしっかり味わう一品をご紹介したい…
で、「鯵を煮物する」とすれば濃い味つけの「煮付け」が一般的です。
酒、水、濃口醤油、みりん、砂糖など合わせた煮汁に魚を入れて煮詰めていく調理法が煮付けですよね。
魚の大きさや量で変わりますが、大体10〜15分煮る。
ですが、もっと短時間で美味しくできるこんな煮物もあるのです…
それは、『潮煮(うしおに)』(地方によって変わります)
例えば、鯛のあらで作る"お吸い物"をイメージして頂けると分かりやすいと思います。
鯛のあらとだし昆布に水を加えて煮込んで、旨味を引き出し、酒を加えて臭みを抑え、塩と少量の淡口醤油で味付けする…
煮る時間は、だいたい5〜6分。
これを”丸ごと鯵を使って”やるわけです。
ですが、
今回のお伝えする「潮煮」は、お吸い物ではないので、みりんで甘みを加え、淡口醤油も少し増やして、お吸物よりは若干味を濃くする…
こうすることで、魚臭さが抑えられ、食べやすくなるのですね。
で、潮煮を美味しく食べて頂く条件がひとつ…
すごくあっさり味なので、鮮度抜群の鯵を使うこと。
鮮度が悪い場合、潮煮は向いていません。
鮮度が落ちているということは、魚の臭みも増しているので、あっさり味の潮煮ではその臭みを強く感じてしまう…
要するに合わないのですね。
魚の鮮度が悪い場合は、濃い味付けの煮付けにしたほうがいいです。
スーパーに行って「これは、今日入ったばかりだな」という新鮮な鯵をみつけたら、
是非、潮煮を試して欲しいです。
繰り返しになりますが、「潮煮」は、鮮度がいい魚のための「煮魚調理法」ですので。
あっさり味ですが、深みのある美味しさが楽しめます。
煮汁が薄味であり、鯵の身に味がしみてないので、煮汁も同時に飲みながら食べて下さい。
鯵の身だけ出なく、鯵から出た旨味の煮汁もいっしょに味わうのが、潮煮の正しい食べ方です。
私、大衆割烹店に勤めていた時に常連さんに特別にこの「鯵の潮煮」を作ったあげたことがあります。
「薄味だけど、すごく美味しいねこれ」
と喜んで頂き、そのお客さんが「こんな魚料理があるんだね」ともの珍しそうに食べていたのがすごく印象的でした。
あなたにも簡単に作れます。
レシピ見て下さい。
↓↓
【材料】(1人前)
アジ…1尾(中)
だし昆布…5g(7cm角)多め
刻みネギ…少量
おろし生姜…少量
【煮汁】
水…400cc
酒…大さじ1杯(15cc)
みりん…大さじ1杯(15cc)
淡口醤油…大さじ1/2杯(8cc弱)
塩…小さじ1/2杯
●アジは、「水洗い」してあるものを使います。
(うろこ、エラ、内臓をとって綺麗に洗ってあるもの、「調理済み」と書いていあるもの)
身をほぐし、煮汁と共に食べて下さい。
アジの旨味をしっかり味わえます。
昆布を贅沢に使うこと、始めのアク取りが美味しく作るポイントです。
是非、アジを買って作ってみて下さい。
この記事へのコメントはありません。