【Youtube動画で知った斬新な「天津飯」とは?】
健幸料理家 佐藤周生です。
10月も後半に入り、秋が深まってきましたね。
今回は「体が温まる丼ぶり系ごはん物」を伝授します。
私、最近、様々な飲食店を紹介しているYoutube動画をよく視てます。
(たまたま、おすすめ動画に出てきたことがキッカケでハマリました…)
紹介される店の多くは、ラーメン、うどん、蕎麦、カレー、中華料理、居酒屋など…
「やっぱり、みんなが好きな料理の飲食店が多いんだな」とあらめて思いました。
で、私がよく視ている動画は、単にユーチューバーの方が料理を注文して食べながら美味しさを紹介するような、よくある動画ではなく、
延々と仕込みから営業の状況を1~2時間かけて見せてくれる内容の動画です。
元料理人の私的には「お~!こんな調理法もあるのか?」とか「このオペレーション(調理の流れ)のほうが効率が良さそうだな!」といった感じで、
調理のシーンや従業員さんの作業部分を食い入るように視て楽しんでます。
たまに「そのやり方は遅い!お客さんを待たせてしまう!」とツッコミを入れることもありますけどね。(笑)
もちろん、料理紹介もあるので美味しそうだとは思うのですが、どうしても”作る側”の目線でみてしまいます。
それはさておき、最近視た動画では地元の台湾料理屋さんが紹介されていて、何度か行ったこともあったので「あれ?あそこの店やん」とちょっと驚きました。
台湾料理と謳っていますが、提供される料理は、おおよそみんなが知っている中華料理。
唐辛子を使った料理が多いので、詳しい違いは分かりませんが、辛味の強い「四川料理」に近いのかな?と思ってます。
で、その店の一通りの料理とその調理シーンが出てくるわけですが、一番気になったのが、
『天津飯』
私、天津飯がすごく好きで、その店でも食べたことがあるのですが、動画で紹介された天津飯はそれとは違ったのです。
「え?こんなのあったんだ…」
通常、天津飯にかかっている餡は色が薄いです。(ほぼ色が付いて無い半透明の餡から、ちょっとしょう油の色が付いた餡までいろいろあります)
ところが、その天津飯にかかっていた餡は”真っ黒”。
おそらく、濃口醬油をベースにしているのではないかと思います。
そこにすごく興味が沸いたわけです。
とろとろ玉子がのったごはんに、たっぷりの「しょう油餡」…
餡には「挽き肉」と「もやし」が入っていて、「こりゃ、うまそう」と料理の名前が気になり、お客さんがその天津飯を注文するシーンまで巻き戻しました。
声が小さかったので、大音量にして聞いてみると「台湾風天津飯、下さい」と言ってまして「へぇ~台湾風天津飯かぁ」と、その存在を初めて知りました。
食べに行った時に気づかなかった自分にちょっと腹が立ちましたけどね。(笑)
で、興味がある料理を知ると作ってみたくなります。
餡の味がイマイチ想像が出来なかったのですが、「多分、あのくらいの濃さかな」と予想して、とにかく作ってみることに。
(試作する前にその天津飯を食べに行ってみようと思ったんですが、スケジュール的に行けませんでした)
ところが、1回目の試作は失敗!若干しょう油が多く、味が濃過ぎました。
餡を作る時というのは、これまでにもお伝えしていますが、煮物の煮汁と同様「黄金比(割合)のだし」が活躍します。
「だし6:みりん1:濃口しょう油1」で濃過ぎたので、
「だし8:みりん1.5:濃口しょう油1」に変更。
だしの割合を「8」にして全体の味を薄くし、しょう油味より甘みが強いほうが美味しく感じたので、みりんの割合をちょっと増やし「1.5」にしました。
焼き玉子をのせたごはんにその餡をかけて試食。
これが大正解!
味の濃さもバランスも良く、かなり美味しくできました。
中華系の料理は鶏ガラスープがベースですし、オイスターソースなど様々な調味料を使うので、動画の台湾風天津飯と味が違うと思いますが、
かつおだしを使った和風仕立ての天津飯も間違いなく美味しいです!
ということで、今回のおすすめは、
『きのこ餡のニラ玉天津飯』
餡には「もやし」でなく、今が旬のキノコ、「しいたけ」と「えのき」を使い、動画で見た通りに挽肉も加えました。
そして、卵にもちょっと一工夫…
溶き卵に少量のニラを加えて色合いをよくし、ニラの風味も加えてみました。
挽肉の旨味、しいたけ・えのきの風味が強いとろ~り餡をとろとろ玉子とごはんに絡めて食べれば、ニラの風味が後から追いかけてきて、味の変化が楽しめる!
何より、「餡」は冷めにくいので、最後まで熱々で食べられて体が温まります。
体が冷える=免疫が下がって体調を崩すリスクになりますからね。
風邪を引いたりとか…
秋らしくなってきた夜はちょっと寒いので、体を温めながら味を楽しめる、
台湾風「天津飯」を作ってみてはいかがでしょうか?
美味しく作れるレシピをご覧下さい!
↓↓
【材料】(1人前) | 分量 | 備考 |
卵 | 2個 | |
ニラ | 3本(8g) | |
ごはん | 茶碗1杯(200~300g) | |
油 | 大さじ1杯(15cc) |
【きのこ餡】 | 分量 | 備考 |
えのき(大袋) | 1/10P(20g) | |
しいたけ(中) | 1枚(15g) | |
鶏むね挽き肉 | 50g | |
水 | 180cc | |
濃口醬油 | 大さじ1杯と1/2杯(23cc) | |
みりん | 大さじ2杯(30㏄) | |
酒 | 大さじ1/2杯 | |
粉かつお節 | 小さじ2杯 | |
水溶き片栗粉 | 水(大さじ1杯と1/2杯)+片栗粉(大さじ1杯) | |
胡麻油 | 小さじ2杯(10cc) |
1、ニラ(3本)は、5mm幅に切ります。
2、えのき(1/10P)は、根を切り落とし、根元部分を箸で割きます。
3、1cm幅に切ります。
4、しいたけ(1コ)は、傘の部分の石づきを取り除き、2mm幅の薄切りにします。
軸の部分は根元を切り落とし、2mm幅の輪切りにします。
5、ボウルに卵を割り入れて混ぜ、ニラを加えてさらに混ぜておきます。
※白身が見えなくなる程度まで混ぜる。
6、水溶き片栗粉を準備します。
小ボウルに水(大1と1/2)、片栗粉(大1)を入れ、混ぜておきます。
7、【きのこ餡】を作ります。
鍋を中火にかけ、胡麻油(小2)を敷き、鶏挽き肉を入れて炒めます。(中火)
挽き肉がバラバラになるよう、叩きながら炒めます。
8、挽き肉に熱が通ったら(全体に白くなったら)、えのき・しいたけ・酒(大1/2)を加えます。(中火)
9、挽き肉を絡めるように混ぜて炒めます。
10、きのこ類がやわらかくなったら、
水(180cc)、粉かつお節(小2)、みりん(大2)、濃口醬油(大1と1/2)を加えます。(中火)
11、沸騰してきたら弱火にして、水溶き片栗粉を再度よく混ぜ、
少量ずつ加えて(玉じゃくしなどで混ぜながら)とろみを付けます。
12、水溶き片栗粉を全部入れた後、1分ほど煮込んだら【きのこ餡】の出来上がり。
13、仕上げていきます。
深皿を準備し、中央にごはんをのせます。
※お茶碗にごはん(200~300g)を入れ、軽く押し固め、裏返して盛る。
14、ニラ玉を作ります。
フライパンを強火にかけ、油(大1)を敷き、40秒熱したら弱火にして(5、)の卵を入れます。
15、菜箸で素早く混ぜ固め、円形(直径17cmくらい)に整えます。(弱火)
16、形が整ったら(半生(とろとろ)状態のまま)、フライ返しなどで裏返して反対面を15秒ほど焼きます。
17、素早く、ごはんの上にのせます。
18、【きのこ餡】を再度温め、ニラ玉の上にかけます。(全部の餡をかける)
19、完成!
ニラ玉とごはんにきのこ餡を絡めながら食べて下さい。
きのこの代わりに菜っ葉類・もやし・玉ねぎ・ネギなどを入れても美味しくできます。
熱の通りが早い(やわらかくなるのが早い)野菜なら何でもOKです。
これから白菜の季節なので、白菜もおすすめ!
あと、今回の料理は加熱料理ですので、消化負担が大きいです。
生野菜や発酵食品も合わせて食べることで消化負担を少し減らせます。
こちら↓がおすすめです!サラダレシピ一覧
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