【実は私、ヘタレです…】
健幸料理家 佐藤周生です。
今回は、レシピの紹介ではないのですが、最近あらたに読者さんになってくれた方が多いので、
少しでも私の人となりを知って頂けたらと思い、ある経験をお話ししようと思います…
そもそも、佐藤って何者!?と思っていらっしゃるかもしれませんしね。
そして、この話は、
あなたが「もっと料理が作りたい!」と思って貰えるきっかけにもなるので、是非最後まで読んで頂きたいです。
私は、いつも料理や食のことなど偉そうに言っていますが、
”働き先の店で嫌な事があるとすぐに辞めては、次の店に行く”
そんな、逃げ回るような人生を送ってきたアリンコのように小さい、ヘタレな人間なのです…
私は板前になるため高校卒業後、岡山から大阪へ。
料理の世界に入って7年目の26歳の春のこと…
”料理のう腕”は、まだまだ未熟でしたが、和食の料理は一通りできるようになっていました。
揚げたての「天ぷら」が”ウリ”の割烹料理店(一品料理のお店)でしたので、特に天ぷらを作ることには自信があったと。
ですが、
当時、私が心底「作ってみたい!」と思っていたのは、天ぷらだけでなく…
見るだけでお腹が鳴り出す、綺麗で上品な器に盛られた色鮮やかで、繊細な一品一品絶妙のタイミングでお客さんに提供する、
『会席料理』でした。
その店でも会席料理を出すことはありましたが、予約の注文のみ。
滅多に作ることはなかったのです。
なので、深く学ぶことができない…
で、料理は「味」が重要です。
しかし、それより私は会席料理の綺麗な盛り付け、食材の色の美しさに興味を惹かれました。
大阪の「なんば」という所に”道具屋筋”という飲食店、料理関係専門店が並ぶ長~い商店街があります。
その近くには、料理専門の書店もあり、私は休日、そこによく足を運びました。
専門誌ばかりで1冊2000円、3000円は当たり前。
当時、無駄遣いばかりして小遣いがなく、高くて手が出なかったので立ち読み1時間はざらでした。
やはり、読む本は会席料理の写真の載った本ばかり、
「綺麗やなぁ、こんなん作ってみてぇなぁ…」
と思いながら
「どんな盛り方でどんな材料を使ってどんな色使いで、どんな器でどの位置にどのくらいの高さで盛り付けているか?」
を細かく見るようになりました。
おそらくこれを繰り返しているうちに心底、会席料理に惹かれるようになったのだと思います。
そして、決断…
就職してから7年目の春、社長に告げました。
「料理のレベルをあげるために会席料理を学びたいです」
と告げ、働いていた店(会社)を退職。
私は、知り合いの紹介で、運よく関西国際空港手前の「全日空ゲートタワーホテル」の和食部門に就職でききたのですね。
ホテルなので、ランチの5000円の松花堂弁当からディナーは3万円の会席料理まで高級和食です。
手の込んだ料理ばかり。
婚礼料理など何百食も扱うホテルですから、厨房は8~10人体制です。
当時のおやっさん(料理長)は、包丁を持てば調理場がピリッとなるほどの包丁さばきの神技を魅せますが、
容姿はほぼヤクザです。(口がへの字に曲がって、目に殺気がある(笑))
そんなヤクザなおやっさんが居る調理場ですから、元ヤンキーでクセのある人間も多い…
気が弱く人見知りで人付き合いもヘタな私はすぐに居辛くなったのです。
「あ~なんかもう嫌だ、辞めたい…」
仕事内容は私が志願したこともあり、”向板(むこういた)”という魚を捌いたり、刺身を切ったりするポジションを担当していましたが、
やったことのない作業に戸惑い、包丁技術の未熟さを見抜かれ、
副料理長に「もっと出来るヤツかと思ったのに…」
と言われ、かなりへこんだこともありました。
「会席料理を憶える!」
追い込まれた私はと意気込んでいたことも忘れ、
毎日、「早く時間経たんかな」「1日終わらんかな」
とばかり考えていました。
「もう無理だな…」と思った私は、
「辞めさせてください」
と副料理長に告げ、就職してたったの3ヶ月でホテルを辞めました。
辞める際におやっさんから、
「これもなんかの縁や、八寸場(盛り付け、雑用のポジション)からやってみんか?」
と言ってくれましたが、嫌でたまらず、やめることしか考えられなかったので即答で断りました。
私は、こういう時だけ頑固になるのか…どこの店でも「辞める」と決めたら、どんなに止められても必ず素早く辞めました。
そんな自分の都合が悪い時だけ頑固になる、たった3ヶ月で辞めてしまうような根性のない人間…
それが私の正体です。
ホテルを早々で辞めたことがきっかけで、次の店に就職してもちょっと嫌なことがあるだけで短期間で辞めるのことが”クセ”になり、店を転々としました。
多くの店を周りすぎて、今では働いた店を全部思い出すことは出来ません。
おそらく10件以上行ってます。
やはり、転々としていれば再就職の際に「この人は続かない」と思われ不利になるので、履歴書に嘘を書き、偽造したことも何度もありました。
「おい!嘘はあかんやろ!」という善の心が現れるも、
「隠していれば、大丈夫や!バレへんバレへん!就職が優先やぞ」
と最後は悪の心が勝つわけです。
しかし、
転々としながらも、根っから料理が好きなのか、2週間で辞めた店でも最低一つは、技術や知識、アイディアをパクリました。
嫌々通ったホテルの3ヶ月も、包丁の技術や綺麗な盛り付け、丁寧な魚の下準備などの「知識」は脳裏に焼きついています。(ノートも残してます)
やはり、好きなこと、興味のあることは1回でも”体験”、”経験”すると意外と忘れないものです。
たった1年間でちょっと嫌になったり、気に入らないことがあっただけで10軒以上もの店を転々としたヘタレの私ですから偉そうなことは言えませんが、
こんな経験をしたからこそのあなたに伝えられることもあるかな!?と…
それは、料理を食べること・作ることが好きなあなたには、出来るだけ多くの料理を作って体験して頂きたい…
「今日は料理、作れるかな」
と思った日は、やったことが無い料理に挑戦して欲しい。
料理に興味があれば、おそらく好きなはずなので、ほんのちょっと新しく体験・経験すれば忘れにくくなると思うのです。
聞いただけのことと、実際に”体験”したことは全然違う…
実際の行動は脳裏に焼き付く…
それが料理の知識にもなり、”できる”料理が増えていきます。
そうすると、難しいと思っていた料理まで簡単に感じてくる。
私は、あなたに偉そうにいえる人間ではないですが、
”ちょっとでも体験すれば忘れにくい”
”1回でも経験することが大事”
というのをあなたにお伝えしたいと思いました。
私が何度も実際に経験してきてきたことなので…
「もっと料理ができるようになる」オススメの手順はこれです。
↓↓
ステップ1、作ったことがなくて作ってみたい料理を3個ピックアップしておく。
ステップ2、その料理の材料を買っておく。
(冷凍できるものは冷凍する)
ステップ3、料理作る気が湧いて時間がある時や休みの日にそのうちの料理を1つ作る。
(時間があれば、2つ)
以上です。
材料を買っておけば、作らざる得なくなります。
今、すぐやっておくことは、
「作ってみたい料理を探して決めておく」
です。
佐藤の料理でなくてもOKですが、簡単なのでオススメです!
是非、やってみて下さいね。
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