【卵はたくさん食べても大丈夫!…ではなくなった!?】
健幸料理家 佐藤周生です。
今回、伝授するのは、、、
「じゃが芋あんのオムレツ」です…
オムレツと言えば「卵」、卵と言えば、十年くらい前まで、
「卵の食べ過ぎは、コレステロール値を高めてしまう」
ということで「1日2個程度に抑えるほうが良い」というのが、おおよその常識でした。
しかし、現在は「たくさん食べても問題ない…」と言われるようになってきました。
なぜ「問題ない」と言われるようになったのか?
それは、人間は健康体であれば体内でコレステロール濃度を調整できるということが研究で分かったからです。
コレステロールが一定値まで高まるとそれ以上上がらないように調節してくれると。
現に厚労省は2015年から食事のコレステロール摂取目標基準を撤廃しています。
で、コレステロールに関しては「問題なし」となったものの、二転三転…
あらたに行われた別の調査では「1日2個以上食べると”女性の場合”ガン死亡数率、全死亡率に関与する(男性は関与しない)」ことが明らかになったのですね。
これは「NIPPON DATA」という循環器疾患基礎調査対象者の長期追跡研究(コホート研究)(政府が関わる全国調査)のデータです。
卵を週1個未満、週1~2個、2日に1個、1日1個、1日2個以上食べる人を分け、15年間追跡調査…
結果、心血管疾患死亡183例、がん死亡210例、全死亡599例が報告され、背景因子を調整したCox分析で、卵の摂取量は全死亡とがん死亡に直接関連することが分かりました。
大まかに言いますとは週1~2コの人たちより、1日1~2コ食べる人のほうが死亡率が高かったと。
これ、不思議なのですが、男性の場合は卵の摂取量と死亡率の関与は無かったようです。
結論…
コレステロールには問題なくても、長期的には病気、死亡率に関わってくるので、やはり何でも同じで、食べ過ぎ(少量でも頻度が多ければ)は「毒になる」と考えるべきなのかもしれません。
また、その研究では男性の場合は関与が無かったとはいえ、動物性たんぱく質の摂り過ぎ自体、赤血球に異常を起こすことが明らかになっているので(悪化すれば病気に繋がる)、
”男性は食べ過ぎても良い”とはならないのではないでしょうか…
という注意喚起を踏まえて、たまに玉子料理を楽しんで頂きたい。
で、おすすめしたいのが、
「とろとろオムレツのじゃが芋あん」
「餡(あん)」といえば、水で溶いた片栗粉でとろみを付けるのが基本ですが、
この「じゃが芋あん」は、水溶き片栗粉が不要…
なぜなら、勝手にとろみが付くから。
じゃが芋などのでんぷんの多い野菜はすりおろして加熱したり、加熱して冷やして潰すと粘りが出ます。
この粘りが「とろみ」になる。
そもそも「片栗粉」の原料は馬鈴薯。
要はじゃが芋ですよね。
じゃが芋で餡を作ると勝手にとろみがついて当たり前といえば当たり前なわけです。
他にも洋食の「ポタージュスープ」などでも潰したじゃが芋がベースになっているので、とろ~んとした高濃度のスープになっているわけでね。
このように野菜の特徴を知っておけば、その特徴を利用した料理を自分で考え付くこともできるようになります。
野菜の様々な特徴を知ることも「料理の基本」といえると思います。
「とろとろオムレツのじゃが芋あん」は、
じゃが芋をやわらかく茹で、細かく潰し、水か出汁で伸ばして淡口しょう油で味付け。
で、熱を通す過ぎないように、とろとろに仕上げたオムレツに「じゃが芋あん」かけるだけ。
「オムレツは難しい」というイメージがあると思いますので、簡単な作り方も紹介していますからご心配なく。
で、この料理を思いついたキッカケ…
私、大阪での修業時代(20代の頃)に休みになると繁華街(梅田・心斎橋・難波など)に出て食べ歩きしていました。
大阪は「食い倒れの街」ですから、右往左往するほどめちゃくちゃ店が多い。
その頃はまだ、給料が少なかったので高いお店には入れず、入るとすれば安い居酒屋ばかり。
でも、安いからこそアイディアで勝負しているお店も多い。
するとそのアイディアが、すごく料理の勉強になるわけです。
そんなアイディア料理の1つが「肉じゃがオムレツ」だったんですね。
これがめちゃ美味しくて、今でも憶えているのですが、肉じゃがが美味しいからオムレツに入れても当たり前に美味しくなるというのではなく、
私の中では、じゃがいもと玉子の相性が「最高!」に感じたのですね。
それなら、じゃが芋をソースみたいにしてかけてしまえば美味しくなるはず…
という発想で思い付いたのが、
「とろとろオムレツのじゃが芋あん」 です。
試作して食べてみると、その発想は間違いありませんでした。
じゃが芋のまったりした食感、甘味と風味がオムレツとベストマッチ!
さらに美味しさの決め手になっているのが「ケチャップ」。
ポテトフライにはケチャップ、オムレツにも基本はケチャップ。
合わないはずがないです。
このケチャップが間違いなく、この料理の美味しさ10倍に跳ね上げていますね。
(※ケチャップはできれば無添加を使って下さい)
でも、ケチャップをオムレツに普通にかけるだけでは面白くないので、
こんなテクニックで見た目の美味しさも演出しました…
レシピ見て下さい!
↓↓
【材料】(1人前)
卵…3コ
ケチャップ…大さじ3杯強(50g)
乾燥パセリ…少々(あれば)
油…小さじ1/2杯
【じゃが芋あん】
じゃがいも(小)…1コ(100g)
水(出汁)…70cc
みりん…小さじ1/2杯
淡口醤油…小さじ1/2杯
茹で水…150cc
塩…1つまみ
玉子に「じゃが芋あん」をたっぷり絡めて食べて下さい。
「じゃが芋あん」のまったりした食感とじゃが芋独特の風味がオムレツとすごく合います。
そして、
「じゃが芋あん」は、片栗粉が必要ない「餡」ですので、とろみ加減の失敗も無く簡単です。
是非、作ってみて下さい。
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