【下茹で無しで栄養を摂る!やさしい味わいの煮物】
健幸料理家 佐藤周生です。
今回は「下茹で省いて、煮汁の栄養を摂る煮物」を伝授します。
和食の基本では、野菜の煮物を作る時、野菜を下茹でします。
これは、野菜のエグミなどを取り除き、ある程度やわらかくしておくことで、味が染みやすくなり、出来上がるとやわらかく仕上がり、食べやすいくなるからです。
ですが、「下茹で」というの和食の基本は、「栄養」の視点から見るとマイナスでしかありません。
なぜなら、下茹でした茹で汁には、たくさんの栄養素が溶け出ているにも関わらず、下茹で後は捨ててしまうからです。
特にビタミン・ミネラル・ファイトケミカルなどの水溶性栄養素は非常に水分に溶けるため、下茹でした際に多くの栄養素が溶け出しています。
これを捨ててしまうなんていうのは、栄養素を捨てている行為でしかないわけです。
しかも、近年の野菜は、数十年前の野菜に比べ、2割~5割も栄養素が減っていますから、茹で汁を捨ててしまうなんて、勿体ないとしか言えません。
なんて偉そうにいっている私自身、こういったことに気づくようになったのは、酵素栄養学や健康学を勉強するようになってからです。
料理を美味しく食べるためであれば、和食の基本は重要です。
しかし、それ以前に私たちは、健康に生きるために食事で栄養素を摂るわけですよね。
美味しく食べることができても、十分な栄養素が摂れなければ健康に生きることができませんし、何か症状を抱えている場合は、それも治りにくくなるわけです。
こっちのほうが重要ではないでしょうか。
ですから、美味しく食べる事より、健康のための食事を優先するなら、「下茹で」は省いたほうがいいと思います。
ということで、今回はこんな煮物をおすすめします!
「大根と油揚げのあっさり煮物」
これ、煮汁を作り、大根、油揚げ、かつお節もたっぷり入れて1時間程度煮込むだけ。
ある程度火加減を調節し、あとは焚く時間だけを気を付けていれば、勝手に軟らかく美味しく出来上がります。
なので、ほったらかしで、出来る一品です。
下茹で無し!茹で汁を捨てませんから、煮汁ごと食べることで大根から煮汁に溶け出た栄養素をしっかり摂ることができます。
しかも、油揚げから出る油分がコクとなって大根にしみ込むので、少し大根の苦みも感じながらも、美味しく食べることができます。
デメリットとして「下茹で」をしない分、やわらかく仕上げるために時間がかかる料理ではあります。
ですが、その間にごはんを焚いたりなど、他の料理も作れますし、料理以外の用事を済ませることもできます。
こういった、ゆっくり時間をかけて作る煮物は、料理人現役の時に何度も作りましたが、比較的、短時間でパパっと仕上げる筍の煮物などより、不思議とやさしい味わいに仕上がるのですね。
これは、手書きの手紙みたいなものかもしれません。
インターネットで一瞬で送れる味気ないメールより、時間をかけ、手書きして心がこもった手紙のほうが深い味わいがある様な気がします。
もちろん、インターネットのメールでも心込めた内容であれば、良いのかもしれませんが、人が直接手書きする文字と型が決まったメールの文字では、感じ方が違うような気がします。
例えになってないかもしれませんが、煮物でもゆっくり時間をかけることで、人の心に響く味になるのではないかと思います。
もしかしたら、下茹でしない分、野菜の栄養素が溶け出て、甘みや旨味となって、また、エグミもちょっとしたアクセントとなって、それらが煮物をやさしい味わいにしてくれているのかもしれませんね。
レシピ見て下さい。
↓↓
【材料】
大根・・・1/2本(500~600g)
油揚げ(正方形)・・・1枚
水菜・・・1株
《煮汁》
【だし20:みりん1:淡口醤油1】
水・・・1400cc
粉かつお節・・・小さじ1 1/2 (3g)
みりん・・・70cc
淡口醤油・・・70cc
かつお節・・・適量
ほったらかしで、できるあっさり煮物
作りおき惣菜としても作れますので是非、覚えてみて下さい。
冷蔵保存で4~5日持ちます。
こちら↓の大根煮物もおすすめです。
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