『包丁技術が一瞬でレベルアップする握り方』
佐藤 周生です。
今回は、ほんのちょっとで劇的に変わる「包丁の”技”その2」を伝授します。
前回は、
包丁の「柄」の上の部分を挟んで握ると刃元に力が入り、硬い食材がスムーズに切れる…
という方法を伝授しました。
今回は、その逆…
短冊切り、乱切り、胡瓜の輪切り、トマトをスライスするなど、力を使わない繊細な切り方や基本的な切り方の時に最適な包丁の握り方です!
その握り方とは「柄の下側を握る」
柄の下部、刃から一番遠い部分を握るのですね。
そうすると包丁の中央から先、刃全体の上部1/3くらいの部分が安定して動かせます。
ぐらぐらせずに適度な力が入る。
短冊切り、乱切り、胡瓜の輪切り、トマトをスライスなどは、刃元より刃の先ほうを使うとスムーズに切れるのですね。
刃先のほうが、細かい切り方に適しています。
で、刃先というと先端をイメージするかもしれませんが、
そうではなく、「包丁の刃の真ん中より先(上)の部分」を指します。
ここを使うと薄切り・刻むなどの基本的な切り方は、切りやすくなるということ。
その刃先を安定させる握り方が「柄元を握る」
前回、硬いものを切る時は「柄の上の方(刃元に近いところ)」をにぎると力が入る、と説明しましたが、
実は、この位置で握ると”刃先”には力が入りません。
もし今、柄の中央や上部を握って使っているなら、それに慣れてしまい、力の感覚がわかりにくいかも知れませんが、
刃の先のほうに力が伝わらず、ちょっと切りにくいはずなのです。
刃先に力が伝わる握り方、刃先に集中できるようにするには、
『包丁の「柄」の”一番下”(柄尻に近いほう)をにぎる』が最適なんですね。
こんな感じ↓
画像では分かりにくいですが、中指・薬指、小指はほぼ柄尻当たりを握っています。
不思議なのですが、刃先から一番離れている部分を握っているのに刃先のほうに力が伝わるのですね。
で、さらに刃先に力が入る方法が、
「人指し指を、包丁の「みね」にのせる」です。
「みね」とは、包丁の背(刃の反対側)です。
そこにひと指しを添えるだけで、刃先がぐらつかなくなり安定します。
この握り方なら刃先に集中できるので、食材がスイスイ切れる…
私がこれを一番実感したのは、刺身包丁を使うようになった時でした。
刺身包丁は、刺身を切る専用の長細い包丁のこと。
あれだけ長い包丁なのに「柄」の上部より、柄の下の方(柄尻)を握ったほうが刃先に力が入り、刺身がスムーズに切れるのです。
もちろん、ひと刺し指をみねに添えるので、さらに刃先が安定します。
料理の道に入った当初は「おやっさん(師匠)から包丁は長く持て!」と言われていたのですが、
その意味が分かりませんでした。
要は、柄尻に近い部分を握ると握った位置から刃先までが長くなる、「包丁全体を長く使え」という意味だったわけです。
ということで、最後に刃先のほうに力が入る握り方の確認…
繊細な切り方をする時の握る位置は、「柄」の一番下(小指が柄尻辺りをギリギリ握れる位置)です。
そして、切る時に少~し小指に力を入れて下さい。
これだけで、刃先のほうに力が入り、包丁が安定して切りやすくなります。
このように握る位置をちょっと変えるだけで、劇的に包丁の使いやすさが良くなります。
「トマトをスライスする」「繊細な切り方をする」ような刃先を使う作業のときは、
『「柄」の一番下を握る』
これ、是非取り入れてやってみて下さい!
【追伸】
こんなこと、レシピ本じゃ教えてくれませんから、
今回の技を「へェ~そうなんだ」で終わらせず、しっかり実践してみて下さい。
職人さんでも知らない方がいますので、自慢できますよ(笑)。
ハッキリ言って有料級の秘伝技なので、かなり得してると思って下さい(笑)
私は基本急ぎで細かく切る料理が多いので、刃の逆に人差し指を添える持ち方で基本切ってます。あと、大雑把に切るときもこのもちかたにしてます。
誰に教えてもらったわけでもないですが、あえていうとオヤジの持ち方かなとおもいます。両親ともに包丁の持ち方から教えてくれたことはないので
自然にこうなってました。結婚してから最近 奥様にふと そんな持ち方しているの と言われて気づきました。
多分長くもったほうがざっくり着るときは楽なんでしょうが…。あと奥様の切り方は乱切りで済ませる料理が多いです。
まぁ多分、やりたい方法に合わせて道具つかってたということですね。勉強になりました。