油が多くても、さっぱり味になる方法とは?
健幸料理家 佐藤周生です。
今回は、
「フライパンで簡単!酒の肴になるさっぱり茄子料理」
を伝授します。
現代は年中スーパーで手に入るので、あまり季節感を感じなくなっている気がする、
「茄子」…
でも、ご存じの通り、茄子は”夏”野菜の1つです。
夏野菜は基本的にカリウムが多く、利尿効果となり体の熱を取ってくれます。
茄子もその仲間であり、適度にカラダを冷ましてくれるため、暑い夏に適した野菜になっていると。
で、茄子にはそれ以上に強い健康効果がある…
動脈硬化・高血圧などの予防、眼疲労の改善、コレステロール値を下げる、抗酸化作用や抗ガン作用も強いです。
要は発ガンの抑制効果もあるということです。
これらの効果は茄子の皮に含む「ナスニン」などの様々なポリフェノールによるもの。
例えば、切った茄子を水に浸けると黒くなりますが、あの黒い成分がポリフェノール。
要するに料理で”アク”と呼ばれている物のほとんどが、ポリフェノールのような健康成分なのです。
料理を美味しく食べるにはアクを取ったほうが良い反面、健康に生きるために非常に重要な成分を垂れ流しているということも是非知っておいて頂きたい。
特にポリフェノールやカリウムは水に浸けると溶け出てしまうので、健康重視で料理を作るなら必要以上に洗わないほうが良いということです。
元料理人の私がいうのもなんですが、究極は「アク抜き」なんていう料理の基本はやらないほうが良い。
本当に健康なカラダで居たいなら…
苦みやえぐみなどのアクは健康のために欠かせない成分。
動物の中で「アク抜き」なんてことやってるのは人間だけです。
もしかしたら、動物たちは「人間ってほんとバカだよな、何で大事な成分捨てんの?」と思われているかもしれません(笑)
家庭で食べる料理は本来、「健康なカラダのため」に食べるべきものですよね?
で、外食のほうは”美味しさを楽しむ”ための料理じゃないですか。
私は、料理人として23年…その後は健康のための料理や健康学を9年勉強してきました。
この経験で気付いたことは、
「現代は外食の料理と家庭で食べるべき料理がごっちゃになっているのでは?」と…
私の勝手な推測ですが、それが現代、糖尿病やガンになる方が多い原因の1つになっているのでは?と想像しています…
だって、家庭でも外食でも「栄養を捨てた料理」を食べているわけですから。(もちろん、栄養が完全に無くなっているわけではないですが…)
ということで、必要以上に洗ったり、アクを取ったりせず、茄子の栄養を逃がさず食べて頂きたい。
とはいえ、美味しく食べたいというのも「人間の性」。
ポリフェノールなどの栄養をできるだけ残しつつ、美味しく食べられる茄子料理はというと…
私これまで、いろんな茄子料理を作ってきましたが、茄子は、食材・調味料の組み合わせ次第で、かなり印象が変わります…
特に組み合わせで相性が良いのは「油」。
これ、ご存じの方も多いと思いますが、茄子料理の大事なポイントだと思ってます。
油によってエグミが緩和され、旨味のほうを強く感じる…
さらに油によって茄子の表面がコーティングされ、ポリフェノールの流出も抑えることができます。
なので、茄子料理には、ちょっと多めの油を加えてあげると美味しくなり、栄養も多く摂れる…
ですが!
油の量が多ければ、それだけコッテリした味になりますよね。
この油っぽさを抑える簡単な方法は、2つ。
1、濃い味付けにする。
他の料理でも共通することですが、油分が多い料理は、味が薄いと油っぽさのせいで頼りない味に感じます。
なので、その油っぽさに負けない程度の濃い味付けが必要なのです。
例えば、スーパーのお惣菜の揚げ物。
鶏の唐揚げが一番分かりやすいと思いますが、外側の衣を剥いで中の鶏肉だけを食べるとけっこう強い塩味がします。
これは、油っぽいさに負けないようにするため、塩味を強くしてバランスをとっているのですね。
2、酸味を利かせた味付けにする。
例えば、ドレッシング。
このメイン材料は、油とお酢ですよね。
手作りでも市販のやつでも同じですが、ほとんどの場合、酢より油の割合が多い。
市販のドレッシングなら、原材料を見て頂ければわかります。
原材料は、量の多い順に記載されてますから、一番に「食用植物油脂」などと書かれているはずです。
(植物油脂は健康的にはちょっとクセモノ…)
でも、「ドレッシングは、油っぽくコッテリで食べにくい!」なんてことないですよね。
サラダにかけて食べれば丁度いい味で、美味しい。
これ、酢の効果。
要は、油のコッテリ感は、お酢などの酸味で抑えることができる。
しかも少量でいい。
だから、油がメインのドレッシングでも油っぽく感じず、美味しいわけです。
この二つの方法を使えば、茄子に少し多めの油を加えても、油っぽくならず、美味しい料理することができます。
で、この二つの方法を使ったおすすめの茄子料理が、
「炒め茄子のさっぱりツナマヨ」
茄子をちょっと多めの油で炒めて、定番のツナマヨをかけるだけ。
で、ポイントは炒めた茄子の仕上げに少量の濃口醤油を絡めます。
他の調味料は加えず、濃口醤油だけ、なので少量でも結構濃い味が付く…
これが、一つ目の「濃い味付けにする」方法ですね。
そして、ツナマヨ。
これ、ツナ缶とマヨネーズを混ぜる合わせるだけですが、ここに、さらにお酢を加える。
すると、少し酸味が強くなって茄子がすごくさっぱりする。
これが、二つ目の方法、「酸味を利かせる」です。
油分が多いのに、コテコテした味に感じないわけです。
二つの方法を活用すれば、バランスの良い、食べやすい味で楽しむことができます。
また、お酢の酢酸は、脂肪分の分解を促進してくれるので、多めの油でも心配無用。
油分は「控えたい…」という方でもおすすめです。
「炒め茄子のさっぱりツナマヨ」は、先日、私のマンツーマンレッスンに参加中の生徒さんにお伝えした料理。
「これ、すごく簡単で食べやすいですね」
と好評頂いています。
それでは、美味しくて、栄養もしっかり摂れる「茄子レシピ」を見て下さい。
茄子に油を均等に行き渡らせるためのちょっとしたマル秘技とは?
↓↓
【材料】(2~3人前)
長茄子(中)…2本
油(オリーブオイルなど)…大さじ1杯と1/2杯
濃口醤油…大さじ1/2杯
一味唐辛子…少々
【ツナマヨ】
ツナ缶(70g)…1/2缶
マヨネーズ…大さじ3杯
酢…大さじ1/2杯
胡椒(黒)…少々
ツナの代わりに、サバ缶の水煮などで「ツナマヨ」の応用ができます。
コッテリの調理なのに、さっぱりで食べられる茄子料理。
簡単にできる酒の一品として、是非作ってみて下さい。
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