『酵素不足が自然治癒力を下げてしまうメカニズム(前編)』
健幸料理家・健幸アドバイザー 佐藤周生です。
前々回からお伝えしている、
【病を追い出す強いカラダを作る食事法】
今回は、このテーマの確信となるお話で、
「食生活で酵素が不足するとなぜ自然治癒力が下がってしまうのか?」
このメカニズムについて、「前編」「後編」の2回に分けてお伝えいたします。
まず、前回の復習で、そもそも「酵素って何ですか?」ということで、
酵素とは、【生命の維持に欠かせない成分】であり、5大栄養素や食物繊維と同じで非常に重要な「栄養素」の1つであると解説しました。
そして、私たちの体には「消化酵素」「代謝酵素」という2つの酵素が存在し、
「消化酵素」=「消化(分解)」
「代謝酵素」=「体の回復」「毒の排出」などの働きがあると。
「消化酵素」に関しては、生の野菜、生の果物、生の魚介・生肉、発酵食品といった食物にも含まれていて、
酵素は食べ物から摂ることができると言いました。
「酵素は食べ物から摂れる」
これがあとあと非常に需要なポイントとなるので、是非覚えておいて下さい。
★以下は、前回までのお話です。
では、ここから本題です。
実は酵素について、あと2つ大事なポイントをお伝えしなければなりません。
その2つが、「自然治癒力を下げてしまうこと」と非常に深く関係しています。
まず、1つ目の大事なポイントは、
「酵素は体内で生成される量が決まっている」ということです。
前回は「消化酵素」「代謝酵素」という2つの酵素が体内に”存在する”とお話ししましたが、2つの酵素は毎日体内で生成されています。
そして、「1日に生成される量」が決まっていて、
その量の範囲で食べ物をしっかり消化し、体の傷んだところを修復したりなどして、健康を維持しなければなりません。
厳密にいいますと、酵素は体内の生命活動に優先的に必要なことから「消化酵素」や「代謝酵素」が生成されていくのですね。
さらに言えば、一生の間に生成できる酵素の量も決まっていて、年齢を重ねるごとに生成される酵素量は減少して、
もし無駄に使ってしまうと寿命が短くなる場合もあります。
人間は体内の酵素が”半分になる”と息絶えると言われていて、残った酵素で自分を分解し、細かくなって土にかえっていくそうです。(自然に帰る)
そして、大事なポイント2つ目は、
「酵素は熱に弱い」ということ。
48度以上で加熱すると、酵素の働きは無くなってしまいます。
要するに、酵素は加熱すると失ってしまうのです…(加熱時間によって変わる)
ですから、
私たちが普段食べている汁物、煮物、炒め物、揚げ物などの料理は、ほぼ酵素は失われているということ。
だから、酵素は生の「野菜」「果物」「魚介」「肉」、そして「発酵食品」にしか含まないのですね。
(※酵素を摂るための具体的な料理や食べ方などについては、あらためて伝えしますのでもう少しお待ち下さい。)
よって、みんなが好きな、ラーメン、焼肉、鶏のから揚げ、ピザ、鍋料理などなど、加熱された料理はもちろん、
スーパーやコンビニのおにぎりやパン、缶詰や菓子類などの加工食品(加熱加工)から、酵素を摂ることは、ほぼできないわけです。
2つのポイントをまとめますと、
「酵素」=「1日の生成量が決まっている」「熱に弱い(酵素を失う)」
ということです。
では、そういった”酵素が摂れない「加熱食)」や「加工食品」”を多く食べているとどうなるのか?
その前に、”酵素を含むもの”を食べるとどうなるのか?を先にお話ししますと…
酵素を含むもの、
つまりは、大まかに「生のもの」を食べていれば、「消化酵素(食物酵素)」が摂取できるので、消化(分解)の補助になるのですね。
基本的に消化(分解)は、体内で生成された消化酵素を使いますが、食べ物から消化酵素(食物酵素)が摂れることで、体内の消化酵素を使う量を減らすことができる…
すべてでは無いですが、生ものの消化酵素が体内の消化酵素の代わりになってくれるわけです。
それでは、
”酵素が摂れない食べ物”、すなわち「加熱食」を多く食べているとどうなるのか?
もうお分かりだと思いますが、この場合、”体内の消化酵素だけ”で消化(分解)しなければならず、大量の体内酵素を使ってしまいます。
ここで、最初のお話…
酵素は1日に生成される量が決まっていて、体内の生命活動に優先的に必要なことから「消化酵素」や「代謝酵素」が生成される、というポイント。
要するに、体は何かを食べれば、”消化”という生命活動を優先しますから、
「加熱食」をたくさん食べていると、消化酵素(食物酵素)が摂取できない分、多くの消化酵素が必要となり、「消化酵素」を大量に生成します。
もし、体が消化を後回しにしたら、
食べた物は胃の中で止まって、消化器官で詰まってしまいますし、そもそも分子レベルまで分解されないと栄養素として吸収することもできなくなります。
だから、体は「消化酵素」を優先的に生成して必死で消化するわけです。
これが、加熱食を多く食べた場合、
1日に生成できる酵素の大部分を「消化酵素」として作り出してしまい、「代謝酵素」の量が少なくなってしまう…
【代謝酵素が少ない】=【体の回復活動ができない】
前回、「代謝酵素」の最大の役目は、
「栄養素をエネルギーに変換する」
「毒素の排出(排泄)」
「細胞の入れ替え、修復(体の悪くなった所を修復し、病気を治す)」
と言いました。
この活動を「代謝」というのですが、「代謝」=「自然治癒力」であり、
消化酵素が優先され、代謝酵素の生成量が減るということは、「代謝」が十分にできない、
「自然治癒力」が下がった状態になるということなのです。
このメカニズムが、「食生活で酵素が不足するとなぜ自然治癒力が下がってしまうのか?」の答えであり、
”加熱食をたくさん食べてしまうこと”が自然治癒力を下げてしまう原因の1つなのです。
いかがでしたでしょう、大体お分かり頂けたでしょうか?
【食事で加熱食をたくさん食べる】から…
「消化酵素(食物酵素)が摂れない、消化の負担が増す」
↓↓
「体は消化酵素を優先的に大量に生成し、必死で消化」
↓↓
「代謝酵素の生成量が減る」
↓↓
「代謝が弱くなる」
というメカニズムで、私たちの自然治癒力は下がってしまうということです。
次回は、
『酵素不足が自然治癒力を下げてしまうメカニズム』の後編で、自然治癒力が下がるとどうなってしまうのか?を再度ご確認頂きながら、
どんな食事を心がけるべきか?についてお伝えいたします。
是非、ご覧下さいね。
【追記】次の話は以下をご覧下さい。
★続き『酵素不足が自然治癒力を下げてしまうメカニズム』の後編
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