【臭いの元はコレです…】
「ネギの切り方と保存方法ついて教えて下さい。水にさらすと栄養が抜けるので、切ったら容器に入れてますが、冷蔵庫の中がネギ臭くなります…臭みが取れて栄養はそのままにできる保存法はあるのでしょうか?」
健幸料理家・健幸アドバイザー 佐藤周生です。
上記は、先日頂いたご質問。
今回は、この問いにお答えしたいと思います。
刻みネギは、いろんな料理に使えて、料理的には臭み消しの役目もしますし、さっぱりにさせる効果もある。
ですから、料理の引き立て役といえるかもしれませんね。
私も刻み青ねぎは幼少の頃から好きで、冷奴、鍋、刺身の薬味、炒めものなど結構なんにでも入れて食べてます。
納豆を食べるときでもバサバサ入れて混ぜます。
冷蔵庫に必ず1束分は刻んでストックしていますね。
で、ご質問の答えですが、
「臭みが取れて栄養はそのままにできる保存法はあるのでしょうか?」
実は、これ難しい…
なぜなら、臭いの成分も”栄養素”だからです。
ネギの臭い成分は「アリシン」。
ラッキョや玉ねぎ、にんにくにも入ってます。(正確にはアリインという成分がアリシンに変化する)
抗酸化作用もあり、消化酵素を分泌させやすくする効果もあります。
油物の消化にもいい。
ある研究では、アリシンの臭いで眠気を誘う効果も。
幼稚園児の実験では、普段なかなか昼寝しない子が、その臭いですんなり眠ってしまったそうです。
青ねぎにはアリシン以外にも、葉酸などのビタミン類やモリブデンなどのミネラルも含み、様々な栄養素を含んでいます。
もちろん、生で食べるのでしたら酵素もたっぷり含みます。
で、その臭いを消したかったら、水にさらすのが一番。
アリシンは、水に溶けやすいからです。(加熱にも弱い)
ですが、水で洗い、臭いを消そうとすれば、アリシンと共に他の栄養素も減ってしまう…
だから「難しい」というのが率直な答え。
栄養素を選ぶか、冷蔵庫の臭いを我慢するのを選ぶか、どちらかになってきます。
栄養素を優先するなら、切ってそのまま使う、または保存する。
水にさらすことなく使った方がいいです。
栄養素が摂れる確率も上がると思います。
「臭いが駄目」が優先なら水にさらす。よくすすぎ洗いする…
アリシンだけを取り除いて臭いを消すというのは、おそらく無理だと思います。
洗えば、アリシンを含め、他のすべての栄養素も減ってしまいますから…
私の家の場合は、どちらかというと臭いが無いほうが優先になってます。
母親がネギが苦手なので…
ですが、
長時間さらしたり、何度も洗うとどんどん栄養素が抜けて、食べても意味がなくなります。
なので、私の場合はボウルに水を溜めて、1回だけすすぎ洗いします。
あとは、ザルに広げて、自然に水切り。
長時間、この状態にしておくことでも少しは臭いがマシになります。
また、洗うことのメリットとして、臭いが取れるだけでなく、日持ちするようにもなります。
私、お店で1週間腐らなかったことがあります。
かなり念入り洗ってましたが…
そういう利点もある。
結論は、栄養素と臭いどっちを優先するのか?
ということになりますね。
これは他の野菜でも同じことが言えます。
千切りキャベツでも、洗いすぎれば水溶性のミネラル、ビタミン、ファイトケミカルは溶け出てしまい、栄養素を捨てることになりますが、キャベツの辛味や臭いは軽減します…
ただ1つ、質問者さんがどんな保存容器を使っておられるのかが気になります。
しっかり密封できる容器なら、臭いはそこまで充満しないのではないかと…
私、何度か洗わずタッパに入れて保存したことがありますが、冷蔵庫中に臭いが充満することはなかったですね。
完全密封タイプの容器なら大丈夫だと思います。
その工夫で解決できれば幸いです。
【追伸】
もしかするとこれが原因?
ネギを触った手でタッパや冷蔵庫の周りをさわっていると臭いが広がるかもしれません。
手に付いた臭いにも気をつけたほうがいいと思います。
【追伸2】
ネギの切り方についてはまた、別の機会にお伝えしますね。
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