食欲が上がりまくる刺身の盛りつけ「向山」
佐藤です。
今回は、「見るだけで食欲増す刺身の綺麗な盛り付け方」を伝授します。
こういった「盛り付け」のことを書くと少なからずこんなご意見を頂きます…
「晩めしは、一人で食べるから、そんな盛り付けなんかどうでもええよ…」と…
「美味しけりゃそれでいい」こように思う方もいるかもしれません。
が、私の経験では、その考えが料理作りを面倒と思うようになる”原因”だと思っています。
「一人だから…」
「腹が膨らめばそれでいい…」
私も長い間そう思ってました。
20代の頃、一人暮らしのとき、家で料理を作っても、盛り付けはいい加減でした。
なので、美味そうには見えません。
なぜか、料理が面倒になり、作る回数が減っていきました。
ですが、ある居酒屋さんに行った時に刺身の綺麗な盛り付けを見て、
「やっぱり、家で適当に盛った刺身より美味しそうで、気分も上がるな」
とふと気付いたのです。
そこで、どんな盛り付けになっているのか?と細かくみていると「盛り付けのコツ」が分かってきました。
(当時、調理場ではまだ下っ端だったので刺身のことはほとんど教えて貰っていませんでした)
そういったことがわかると家で試したくなるわけです。
すると料理することがまた増えてくる…
例えば、店で伝授される”盛り付け方”は、強制的です。
「こうやれ!」と言われるから、その盛り付けをまねて盛るだけ。
「なぜその形に盛るのか?」
「なぜ、その位置に盛るのか?」
など”理由”が解っていませんでした。
当たり前ですが、盛り付け作業は、忙しくなった営業中にやることがほとんど。
クソ忙しい時に、先輩やおやっさん(師匠)に
「何で、この盛り付け方なんですか?」
なんて聞けません。
そんなこと聞けば、
「さっさと盛らんかい!!」
とどやされ、気の弱い私なら、3日間落ち込むだけです。
なので、私が、”理由”を習得するときは、おおむね専門料理本から。
(もちろん店で理由を教えて貰うこともありましたが、かなり少ないです)
”刺身の盛り付けの基本”の項目を熟読した時、
「だから、あの形に盛ると綺麗にみえるのか!」
と理解できました。
それは、刺身の盛り付けの基本でしたが他の料理でも同じで応用が利く重要な盛り方。
それが解ってからは、どんな料理でも美味しそうに見える盛り付けが出来るようになりました。
そして、家で作る時もそれを実行するので、
「綺麗に出来た!(自己満足)」
「ウマそう!(食欲増進)」
と感じることが多くなっていったわけです。
それまでは、自分で盛り付けた適当な盛り付けの料理を見てたので、無意識で食欲が失せ、作る気がなくなっていったのだと思います。
綺麗な盛り付けは、「自分を喜ばす」ことができます。
私は、これが料理作りのやる気に繋がっていると思っています。
自分を喜ばせてあげて欲しいです。
それには、今から伝授する
「艶やかに盛り付けできるたった一つの”コツ”」
を知る必要があります。
これさえ、理解すればあなたは、どんな料理でも食欲がそそられる、鮮やかな盛り付けができるようになります。
そのたった一つの”コツ”とは…
『山を作る』
です。
これは”向山(むこうやま)”と言いまして、刺身を盛る場合にお皿の奥側を高く盛って手前に来るほど低くなるように盛る…
山の斜面のような盛り付け方を”向こう山”と言います。
「奥側を高く盛り、山を作る」
これが”コツ”です。
この”コツ”を料理に取り入れて盛り付けるだけで綺麗に見えます。
今回のサーモンの刺身で例えると…
(※大根のけんを作るのがめんどうだったので代わりに”大根おろし”を添えてます。
これで食べても美味しいので試してみて下さい)
お皿の奥側に”へぎ作り”にしたサーモンを半分に折り曲げ、3~5枚重ねて高く盛ります。
これが”山”になります。
で、”平作り”にした刺身3カンづつを向きを変えて9カン手前に盛り付けていきます。
(和食では、個数を数える時”1カン、2カン…”と言います。にぎり寿司は”1貫(かん)2貫…”といいますよね、あれと同じです)
写真は斜めに撮影しているのでわかりにくいですが、奥側が高くなってます。
山と斜面を作るような盛り付けにするだけで綺麗に見えます。
他の料理なら、例えば…
平らに広げて盛るサニーレタスなどをちぎったサラダ。
これも真ん中を小高くするだけで綺麗に見えます。
肉じゃがなどお惣菜でも同様、ただ高く盛るだけで美味そうに見せられます。
野菜炒めなどでも、真ん中に刻みネギをのせて高さを付けるだけで全く変わります。
『奥側(中央)に山を作る』
これ、覚えてくださいね。
綺麗な盛り付けが当たり前のようにできます。
是非!やってみてください。
この記事へのコメントはありません。